こんにちは。
まとめシート著者の野網です。
昨日、中小企業診断士1次試験の合格発表がありました。
今年は経営法務でなんと8点の得点調整がありました。
以前のブログで、得点調整があるだろうと予想はしていましたが、4点ではなく8点の得点調整というのは過去にも例がなく、それだけ難易度が高かったということかと思います。
中小診断協会の統計資料から求めた、今年の試験の科目合格率は以下の通りとなっています。
- 経済学・経済政策:26.4%
- 財務・会計:7.3%
- 企業経営理論:7.1%
- 運営管理:25.8%
- 経営法務:5.1%
- 経営情報システム:22.9%
- 中小企業経営・中小企業政策:23.0%
- 総合:23.5%
経営法務は+8点の得点調整が入った上での科目合格率が5.1%ということですので、このデータを見てもいかに難易度が高かったのかがわかるかと思います。
ご参考までに、H19年からH30年までの各科目の科目合格率の変化のグラフを2019年度合格目標版のまとめシートの原稿から、下記の通りご紹介させていただきます。
グラフを見てわかる通り、科目合格率は年度や科目によって大きく変動していますが、過去、没問などを除き、問題の難易度が高かったために得点調整が入ったのは、上記のグラフで×のマークのある、H22、H25の経済、H28の情報、そして今年の法務の4回です。
このグラフを見てみると、得点調整が入った年の科目合格率はもちろん低いですが、それよりも科目合格率が低い年がいくつかあるということがわかります。
この理由としては、科目合格率は得点調整がされた後のものであるため、得点調整が入った年は、それによって救済された人が少なからず存在し、科目合格率が引き上げられたためと考えられます。
そこで、「得点調整は科目合格率があまりにも下がり過ぎないために行われるものである」と仮定すると、科目合格率が低かった年を調べることで、得点調整が入るボーダーラインがわかるのではないかと考えました。
調べてみると、H19年からH30年の間で最も科目合格率が低かったのはH25年の経済で2.1%、2番目がH21年の中小で2.9%、次いでH29年の運営で3.1%、H24年の財務で3.8%、H21年の情報で3.8%となっていました。
全体を通じて科目合格率が2.1%を下回る年度・科目はありませんでした。
そうすると、得点調整が入るのは「科目合格率が2.1%より低い場合である」という仮説を見出すことができます。
恐らく2.1%のような中途半端な値に決めているということはないかと思いますので、そこから考えるときっと「科目合格率が2%を切ったら得点調整を実施する」というルールがあったのでは、と考えられます。
しかし、もしかしたら、H25年の段階では8点の得点調整を行う、ということはまださすがに憚られており、結果として4点分のみの得点調整だった、という可能性もあります。
もしそうであったと考えると、ボーダーは2番目に低いH21年の中小の2.9%であったということも考えられます。
すると、2.9%に近く切りの良い2.5%あたりが科目合格のボーダーラインで、「科目合格率が2.5%を切ったら得点調整を実施する」というルールがだったという可能性もありえます。
以上を踏まえると、得点調整が行われるのは科目合格率が2%もしくは2.5%を下回った場合ではないかと考えられます。
以上、私の仮説をかかせていただきましたが、はっきりいえるのは「問題が難しすぎる年は得点調整が入る可能性が高い」ということです。
しかし、ここまで推定しておいてなんですが、科目合格率は合格発表が行われて初めてわかるものですので、事前の予想は困難で、確実に科目調整が入るかどうか予測するのはなかなか困難です。
そのため、受験する側としての対策は今後も得点調整が入るほど難化する可能性も考慮に入れて、それを前提としたリスクヘッジをしておきつつ、とても難易度が高かった場合は得点調整が入ることもあるので、ぎりぎりの場合、得点調整が入ることを前提に2次対策を進めておく、というのが鉄則なのではと考えます。
2019年に得点調整が入るほど難しい科目があるかどうかはわかりませんが、ぜひあった場合に備えて事前に準備をしておくようにしましょう。
最後になりますが、1次試験を通過された皆様、おめでとうございます。
2次試験まで残り約1ヵ月半、全力で走り抜けてください。
Amazonベストセラー1位獲得
一目でわかる!覚えてしまう!中小企業診断士一発合格まとめシート
好評発売中
—–