今回の過去問解説は第28問のマーチャンダイジングについてです。
最近の運営管理では、計算問題の比率が増える傾向にありますが、計算問題は単純な知識問題と比較すると解くのに時間がかかります。
そのため、実際の試験の際は計算問題は後回しにするなど、回答の順番に工夫が必要かと思います。
H30 運営管理 第28問
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
ある店舗で下表の商品を用いて、福袋を作って販売することを計画している。福袋は全部で5個作り、売価は4,000 円とする。また、下表のすべての商品を使い切り、 1 つの福袋に同じ商品が入ることもある。なお、消費税は考慮しないものとする。
(設問 1 )
最初に売れた1つの福袋の粗利益率は10%であった。この福袋に入っていた商品の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。ア 商品Aと商品Cがそれぞれ1個ずつ
イ 商品Aが1個と商品Dが 2個
ウ 商品Bが1個と商品Dが 2個
エ 商品Bと商品Cと商品Dがそれぞれ1個ずつ
オ 商品Cが2個と商品Dが1個
(設問 2 )
福袋の販売計画に関する次の文章の空欄A〜Cに入る数値として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。今の販売計画では、5個の福袋を計画した売価ですべて売り切ったときの福袋販売全体の粗利益率はA%である。粗利益率を3ポイント高めてB%とするためには、福袋の売価設定をC円とする必要がある。
〔解答群〕
ア A:17 B:20 C:4,120
イ A:17 B:20 C:4,150
ウ A:23 B:26 C:4,120
エ A:23 B:26 C:4,150
それでは、まずは設問1から考えていきましょう。
設問文には「最初に売れた1つの福袋の粗利益率は10%であった」とあります。
冒頭の説明を見ると福袋の売価は4,000円とのことですので、粗利益率が10%ということは、粗利が400円ということです。
すると、原価は3,600円ということがわかります。
つまり、「この福袋に入っていた商品の組み合わせとして、最も適切なもの」という問題は、組み合わせると原価が3,600円になる選択肢を選べ、という問題であるといえます。
ということですので、少々時間は食ってしまいますが、各選択肢の原価を手計算で求めます。
ア 商品Aと商品Cがそれぞれ1個ずつ
2,500+1,400=3,900 ×
イ 商品Aが1個と商品Dが 2個
2,500+400×2=3,300 ×
ウ 商品Bが1個と商品Dが 2個
1,800+400×2=2,600 ×
エ 商品Bと商品Cと商品Dがそれぞれ1個ずつ
1,800+1,400+400=3,600 ○
オ 商品Cが2個と商品Dが1個
1,400×2+400=3,200 ×
以上から、設問1の正解は選択肢エとなります。
次に設問2を見ていきましょう。
空欄Aは福袋全体の粗利益率が聞かれています。
福袋全体の粗利益率は、
全体の粗利/全体の売上
で求めることができます。
冒頭に「福袋は全部で5個作り、売価は4,000円とする」、「すべての商品を使い切り」とあります。
これより、福袋全部合計した売価は4,000×5=20,000円なので全体の売上は20,000円です。
また、福袋全部合計した原価は、仕入原価合計の16,600円ですので、全体の粗利は20,000-16,600=3,400円となります。
以上から、全体の粗利益率は
3,400/20,000×100=17%
となります。
よって空欄Aには17、Bには20が入ります。
そして、粗利益率を20%とするためには、福袋の売価設定をいくらにすればよいか、と問われています。
福袋の売価の合計をXと置いて考えていきましょう。
売価の合計がXのとき、粗利益率が20%ですと、粗利は0.2Xとなります。
また、粗利=売価の合計-原価の合計ですので、
0.2X=X-16,600
と表せます。
これを解くと、
0.8X=16,600
福袋の売価の合計=16,600/0.8
福袋は5個売るので、1個あたりの売価は福袋の売価の合計/5となります。
そのため、
福袋1個あたりの売価=(16,600/0.8)/5=16,600/4=4,150
となります。
以上から空欄Cには4,150が入り、解答は選択肢イとなります。
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