今日は、運営管理のH30 第8問について解説します。
NC 工作機械 5 台を 2 人の作業者でオペレーションしている。ワークの着脱作業は作業者が行う。作業者によってワークが取りつけられプログラムが入力されれば自動的に加工が行われ、終了すると自動的に停止する。現在、この職場では作業者の稼働率が高く、機械が段取待ちで停止していることが多く発生している。
この職場における改善活動に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 各機械の稼働率を調べるため、管理図を作成した。
イ 機械の停止時間を短くするため、加工時間を短縮する加工方法の検討を行った。
ウ 作業者の持ち台数を検討するため、マン・マシンチャートを作成した。
エ 製品の平均スループットタイムを短くするため、MTM法による分析を行った。
解説
IEに関する問題です。
IE(Industrial Engineering)とは、生産工学生産性の向上を目的とした手法です。
IEには様々な方法がありますが、全体像についてまとめシートでは以下の通りまとめています。
それでは選択肢をみていきましょう。
選択肢ア:誤りです。管理図とは、以下のような品質管理の手法の一つで、データに異常値がないかについて確認するための図です。稼働率を調べるための手法としては不適当です。
よって、この選択肢は×です。
選択肢イ:誤りです。「作業者の稼働率が高く、機械が段取待ちで停止している」との記述があるため、加工時間が短くなっても作業者の手が空かなければ機械の段取り待ちを減らすことはできません。
よって、この選択肢は×です。
選択肢ウ:その通りです。人・機械分析や組作業分析のように、2 つ以上の作業の組み合わせについて分析を行うことを連合作業分析といい、以下のようなマンマシンチャート(M-M チャート)を使い見える化します。人の手待ちロスや機械の停止ロスを明確にすることで、作業内容の改善や順序の改善を行います。
よって、この選択肢は〇です。
選択肢エ:誤りです。スループットとは、MTM法(Methods Time Measurement 法)とは、時間分析の手法で、WF(Work Factor 法)法の4つ作業をさらに10の基本動作に分類したものです。「製品の平均スループットタイム」には、MTM法で測定する標準時間に加え、仕掛品の滞留時間や運搬時間も含まれます。
よって、この選択肢は×です。
以上から、正解は選択肢ウとなります。
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