今日は、運営管理 H27 第37問について解説します。
物流センターのコスト削減を目的にアクティビティごとの作業時間分析を行い、下表を作成した。
この分析結果から、以下に示す4つのアクティビティのうち、物流コスト削減余地が「最も大きなアクティビティ」と「 2番目に大きなアクティビティ」の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
a ケースピッキング
b ピースピッキング
c 段ボール箱梱包
d 行き先別仕分け
[解答群]
ア aとb
イ aとc
ウ aとd
エ bとc
オ bとd
解説
物流ABCに関する問題です。
まとめシートで以下の通り解説しています。
物流ABC とは、Activity Based Costing の略で、物流コストを管理する目的で、物流の活動ごとに原価を計算する方法のことをいいます。物流ABC を用いることで、例えばピッキング1 件に必要なコストや梱包を1 箱するのに必要なコストがいくらかかったなどが把握できるため、コストを管理し、適正な価格の設定が可能となります。
それでは問題をみていきましょう。
求めるものは、物流コスト削減余地ですので、以下の手順で考えます。
①標準時間と1処理あたりの作業時間の差を求める
②月間に削減可能な時間を求める
③それら(②)を人件費単価をかける
それでは計算していきます。
①標準時間と1処理あたりの作業時間の差(秒)は
a ケースピッキング:3(秒)
b ピースピッキング:2(秒)
c 段ボール箱梱包:10(秒)
d 行き先別仕分け:3(秒)
②月間に削減可能な時間(時間)は
a ケースピッキング:3秒×36,000ケース÷3,600秒=30(時間)
b ピースピッキング:2秒×54,000ケース÷3,600秒=30(時間)
c 段ボール箱梱包:10秒×7,200ケース÷3,600秒=20(時間)
d 行き先別仕分け:3秒×42,000ケース÷3,600秒=35(時間)
③ ②を
人件費単価をかけると、削減可能コストは
a ケースピッキング:30(時間)×1,000円=30,000円
b ピースピッキング:30(時間)×900円=27,000円
c 段ボール箱梱包:20(時間)×1,000円=20,000円
d 行き先別仕分け:35(時間)×900円=31,500円
以上から、物流コスト削減余地が大きい順にd→a→c→bとなります。
よって、正解は選択肢ウとなります。
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