今日は財務会計のH26第9問の経営分析の問題について解説します。
H26 財務・会計 第9問
以下の資料に基づき、X1年度とX2年度の経営状態の変化を表す記述として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。a X1年度と比較してX2年度は自己資本純利益率が下落した。
b X1年度と比較してX2年度は自己資本純利益率が上昇した。
c X1年度と比較してX2年度は総資本純利益率は下落した。
d X1年度と比較してX2年度は総資本純利益率は上昇した。
[解答群]
ア aとc
イ aとd
ウ bとc
エ bとd
解説
自己資本純利益率と総資本純利益率について、X1年度とX2年度を比較する問題です。
それでは早速計算していきましょう。
自己資本純利益率は
純利益/自己資本
で、
総資本純利益率は
純利益/総資本
で表すことができます。
しかし、資料を見ると純利益、自己資本、総資本の値は与えられておらず、売上高純利益率、自己資本比率、総資本回転率の3つが与えられているのみです。
ここで、売上高純利益率、自己資本比率、総資本回転率はそれぞれどうやって求めるか確認すると、
売上高純利益率は、
純利益/売上高
自己資本比率は、
自己資本/総資本
総資本回転率は、
売上高/総資本
で求められます。
これを見ると純利益、自己資本、総資本3つの要素が入っていますので、株価の計算でよくあるような値の組み合わせで求められることがわかります。
自己資本純利益率は
純利益/自己資本
ですので、
売上高純利益率×総資本回転率÷自己資本比率
純利益/売上高×売上高/総資本×総資本/自己資本
として求められます。
これを計算すると
X1年度
0.05×2.0/0.5=0.2
→X2年度
0.04×2.2/0.4=0.22
より自己資本純利益率は上昇しているということがわかります。
総資本純利益率は
純利益/総資本
ですので、
売上高純利益率×総資本回転率
純利益/売上高×売上高/総資本
として求められます。
これを計算すると
X1年度
0.05×2.0=0.1
→X2年度
0.04×2.2=0.088
より総資本純利益率は下落しているということがわかります。
以上から、bとcの組み合わせとなり、正解は選択肢ウとなります。
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