今日は、財務・会計 H25 第21問 について解説します。
資本市場理論におけるベータ値に関する説明として、最も不適切なものはどれか。
ア 個々の証券の収益率の全変動におけるアンシステマティック・リスクを測定する値である。
イ 市場全体の変動に対して個々の証券の収益率がどの程度変動するかの感応度を表す値である。
ウ 市場ポートフォリオのベータ値は1である。
エ ベータ値は理論上マイナスの値もとりうる。
解説
資本市場理論におけるベータ値に関する問題です。
まとめシートで以下の通り解説しています。
それでは選択肢をみていきましょう。
今回は、不適切な選択肢を選ぶ問題です。
選択肢ア:誤りです。証券の持つリスクは、証券を発行している企業の売上の動向や経営方針といった、証券発行企業固有のリスクである個別リスクと、政治の動向や全国的な気候や災害といった、市場に参加するあらゆる企業に関係するリスクである市場リスクの合計として、「証券のリスク=個別リスク+市場リスク」で表されます。
その中で、市場に連動しない個別リスクのことをアンシステマティックリスク、市場に連動する市場リスクのことをシステマティックリスクともいいます。
アンシステマティック=個別リスク、ですので「あんこ」と覚えると良いでしょう。
よって、この選択肢は×です。
選択肢イ:その通りです。ベータ(β)値は、市場の値動きに対する個別証券の値動きの度合いを示す指標のことです。
よって、この選択肢は〇です。
選択肢ウ:その通りです。β値は市場の値動き、つまり、リスクの基準を1 と置き、市場に対して個別証券がローリスクなのかハイリスクなのかについて比較する場合に用いられます。
よって、この選択肢は〇です。
選択肢エ:その通りです。β値は市場の値動きに対する個別証券の値動きの度合いを表します。β値が1 より大きければその個別証券の値動きは市場の値動きより激しく、1 より小さければ緩やかであるということを意味します。また、上のまとめシートの解説の通り、β値は-をとることもあります。
よって、この選択肢は〇です。
以上から、不適切なものを選ぶ問題ですので
正解は選択肢アとなります。
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