今日は財務会計のH24第19問について解説します。
H24 財務・会計 第19問
Z社は現在、余剰資金の全額を期待収益率8%、標準偏差6%の投資信託で運用している。Z社では余剰資金の運用方針を変更し、余剰資金の全額を、2%の収益率をもつ安全資産と上記投資信託に等額投資する運用を考えている。変更後の期待収益率と標準偏差の組み合わせとして最も適切なものはどれか。
ア 期待収益率:5% 標準偏差:3%
イ 期待収益率:5% 標準偏差:6%
ウ 期待収益率:6% 標準偏差:6%
エ 期待収益率:10 % 標準偏差:6%
解説
期待収益率と標準偏差を計算する問題です。
まずは問題文から状況を整理しましょう。
現在
余剰資金の100%を
期待収益率8% で運用
標準偏差は6%
今後
余剰資金の50%を
期待収益率8%、
余剰資金の50%を
期待収益率2%(安全資産)、で運用
標準偏差は?%
と整理できます。
選択肢を見ると、期待収益率は5%、6%、10%のいずれか、標準偏差は3%、6%のいずれかから選ぶ必要があるということがわかります。
ここで、選択肢に挙げられている標準偏差に着目すると、候補としては3%、6%のいずれかです。
しかし、投資信託のリスク(≒標準偏差)が6%とされており、その半分を安全資産に変更するということなので、計算をしなくても、変更後のリスクは変更前よりさがるということは推測できます。
すると、候補として挙がっている標準偏差6%は×であると判断できますので、正解は、標準偏差3%としている選択肢アとなります。
念のため、期待収益率も計算してみると、
8%×0.5+2%×0.5=5%
となり、選択肢アで問題ないことが確認できました。
このように、1次試験ではわざわざ計算しなくても、選択肢に並んだ数字から正解を判断できる場合があります。
このように計算しなくてもいい問題は計算せずにサクっと片付けるようにして、念のための計算は、他のすぐ解けそうな問題が全部解き終わってからにすると、限られた試験時間を有効に使うことができます。
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