今回はH27年第15問の費用関数の問題を解説します。
H27 経済学 第15問
下図には、固定費用Fと可変費用で構成される総費用曲線が描かれている。また、原点から始まり総費用曲線と点 Kで接する補助線Aと、固定費用Fから始まり総費用曲線と点Mで接する補助線Bが描かれている。この図に関する説明として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
[解答群]
ア 生産量Q2は、平均費用が最小となる生産量である。
イ 平均可変費用と限界費用が一致する点は操業停止点といわれ、図中で点K がこれに該当する。
ウ 平均費用と限界費用が一致する点は損益分岐点といわれ、図中で点M がこ れに該当する。
エ 平均費用と平均可変費用は、生産量Q1で一致する。
それでは早速それぞれの選択肢を見ていきましょう。
選択肢アについて確認します。
総費用曲線上のある点Pにおける平均費用は、原点と総費用曲線上の点Pを結んだ直線の傾きと等しくなります。平均費用が最小になるのは、この直線の傾きが最も小さくなるとき、つまりこの直線が総費用曲線に接するときです。
この場合、補助線Aは総費用曲線と接するとのことですので、この時の点Kにおける生産量Qは最小になります。
よって、選択肢アは〇と判断できます。
この選択肢は明らかに〇ですので、私が実際に試験を受ける際に解くのであれば、この先の選択肢のチェックは省略する可能性が高いです。
ただ、念のため、ここでは残りの選択肢も見てみましょう。
選択肢イは、「平均可変費用と限界費用が一致する点は操業停止点といわれ」というところまでは正しいですが、平均可変費用と限界費用が一致する点は点Mであって、点Kではないので×です。
選択肢ウは、「平均費用と限界費用が一致する点は損益分岐点といわれ」というところまでは正しいですが、先ほど説明した通り、点Mは操業停止点であって、損益分岐点ではないため、この選択肢は×です。ちなみに損益分岐点は点Kです。
選択肢エは、平均費用と平均可変費用が一致するのは、固定費が0のときで、それ以外の場合は一致することはないので×です。
以上から正解は選択肢アとなります。
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