【過去問解説(経済学)】R6 第17問 独占

今日は、経済学のR6第17問について解説します。

 経済学 R6 第17問

下図は、ある財の生産販売を1社が完全に独占した市場を示している。この財の需要曲線がDであり、MCが生産者の限界費用、MRが同じく限界収入である。ここで、独占企業は利潤を最大化するように、価格と生産量を決定するものとする。

この図に基づき、独占均衡に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

a 企業は価格をCとすることで利潤を最大化できる。

b 消費者余剰は、三角形ABFである。

c 生産者余剰は、四角形CEHGである。

d このとき生じる死荷重は、三角形FGIである。

 

〔解答群〕

ア a:正 b:正 c:誤 d:正

イ a:正 b:誤 c:正 d:正

ウ a:正 b:誤 c:正 d:誤

エ a:誤 b:正 c:正 d:正

オ a:誤 b:正 c:誤 d:誤

解説

独占に関する問題です。
まとめシートでは、以下の通り解説しています。

独占企業の場合、⽣産量を抑えることにより価格を吊り上げ利益を増やそうとするため、利潤が最⼤となる⽣産量は完全競争企業の場合よりも⼩さくなります。
また、独占のときの需要関数D(x)を直線と仮定すると、独占企業の限界収⼊曲線は、需要関数D(x)の2倍の傾きを持つ直線となります。
独占企業の利潤が最⼤となる点は、限界費⽤と限界収⼊が等しくなるMC(x)=MR(x)となる点です。このときの⽣産量QMはMC(x)とMR(x) の交点で、価格PMは、需要曲線D(x)において⽣産量がQMとなる点です。
完全競争市場にある財の⽣産量Q*は、需要曲線D(x)と供給曲線であるMC(x)の交点です。しかし、独占の場合、独占企業はQ*より少ない⽣産量QMの⽅が利潤は⼤きくなるため、QMしか⽣産を⾏いません。
このときの消費者余剰と⽣産者余剰について考えてみます。

独占企業により価格PMである財が供給されているとき、消費者余剰は図の薄いグレーで示す部分、⽣産者余剰は濃いグレーで⽰す部分で、独占市場における社会的総余剰はこれらの部分の合計です。
それに対し、完全競争市場の⽣産量はQ*で、需要曲線D(x)と供給曲線MC(x)で囲まれた部分が社会的総余剰のはずでした。よって、斜線で⽰す部分が独占による死荷重となります。

それでは選択肢をみていきましょう。

:誤りです。独占企業の利潤最大化の価格は需要曲線と交差するBとなります。

:その通りです。独占企業の消費者余剰は三角形ABFとなります。

:誤りです。独占企業の生産者余剰は四角形BEHFとなります。

:誤りです。独占企業の死荷重は三角形FHIとなります。

以上から、a:誤  b:正  c:誤  d:誤ですので
正解は選択肢オとなります。

 

 

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