今日は、経済学のR6第13問について解説します。
需要の価格弾力性(絶対値)に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
a ある財について、価格の変化率(絶対値)がそれに伴う需要量の変化率(絶対値)に比べて大きいほど、需要の価格弾力性も大きくなる。
b 代替品が豊富な財は、代替品に乏しい財に比べて、需要の価格弾力性は大きくなる。
c ある財の需要曲線が一定の価格水準において水平である場合、この財の需要の価格弾力性はゼロである。
d ある財の授与右翼線が右下がりの直線である場合、この財の需要の価格弾力性は、価格水準にかかわらず一定である。
〔解答群〕
ア a:正 b:正 c:誤 d:正
イ a:正 b:正 c:誤 d:誤
ウ a:正 b:誤 c:正 d:正
エ a:誤 b:正 c:誤 d:正
オ a:誤 b:正 c:誤 d:誤
解説
需要の価格弾力性に関する問題です。
まとめシートでは、以下の通り解説しています。
所得や価格の変化が需要量に与える影響の度合いを弾⼒性といいます。
所得の変化が需要量に与える影響を需要の所得弾⼒性、価格の変化が需要量に与える影響を需要の価格弾⼒性といいます。
それでは選択肢をみていきましょう。
a:誤りです。需要の価格弾力性は、価格が変化したときの需要量の変化率になります。価格の変化率が需要量の変化率より大きい場合は、需要の価格弾力性は小さくなります。
b:その通りです。代替品が豊富ということは、代わりはいくらでもあることになるため、価格の増減が需要量に与える影響は大きくなります。例えば値上げをしたら一気に需要量が下がります。よって、需要の価格弾力性は大きくなります(需要曲線の傾きが緩やかになります)。
c:誤りです。需要曲線が水平の場合、その価格水準においてはどこまでいっても需要量があることになります。これを「弾力性が無限大」と表現します。逆に需要曲線が垂直の場合、どの価格水準でも需要量が増減しないことになります。これを「弾力性がゼロ」と表現します。経済学では「水平=無限大、垂直=ゼロ」と認識しておきましょう。
d:誤りです。同じ需要曲線上では、需要曲線の傾きは⼀定となりますが、需要の価格弾力性はグラフの左上ほど大きくなります。つまり、需要Dが⼩さい⽅がm/DまたはP/Dが⼤きいため、弾⼒性は⼤きくなります。逆に需要Dが⼤きい⽅がm/DまたはP/Dが⼩さいため、弾⼒性は⼩さくなります。
以上から、a:誤 b:正 c:誤 d:誤ですので
正解は選択肢オとなります。
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