【過去問解説(経営法務)】R6 第15問 著作権&意匠権

今日は、経営法務 R6 第15問について解説します。

 科目

喫茶店を立ち上げる予定の甲氏は、中小企業診断士であるあなたに、以下の 2つの質問をしている。空欄①と②には、あなたの回答としてa~dの記述のいずれかが入る。各空欄に該当する記述の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

質問
甲 氏:「喫茶店のある商店街の様子を撮影した動画を作成します。しかし、この商店街で流れている音楽が動画に録り込まれるかも知れません。著作権法上問題がありますか。
例えば、部屋を撮影し、背景に画家の絵が写り込んでいても、著作権侵害にならないことがある、と聞きました。これと同じ趣旨で、動画にたまたま音楽が録り込まれた場合でも、著作権侵害にならないことがありますか。」
あなた:「いわゆる写り込みに関する著作権法第 30 条の2の規定ですね。① 。」
a この規定は動画に録り込まれた音楽には適用されません
b この規定は動画に録り込まれた音楽にも適用され得ます。著作権侵害とはならない要件が規定されているので、それを検討する必要があります

質問
甲 氏:「店舗の内装は斬新なものとしました。壁、天井、机、椅子などを木目調で統一し、配置にも工夫を凝らしています。このような内装はデザインなので意匠登録できますか。また、建物の外観も特徴がありますが、これも意匠登録の対象となりますか。」
あなた:「 ② 。」
c 店舗の内装は意匠登録の対象とはなり得ますが、建物の外観は意匠登録の対象とはなり得ません
d 店舗の内装および建物の外観は意匠登録の対象となり得ます

〔解答群〕
ア ①:a  ②:c
イ ①:a  ②:d
ウ ①:b  ②:c
エ ①:b  ②:d

 

解説

著作権および意匠権に関する問題です。
まとめシートでは、以下の通り解説しています。

 

それでは選択肢をみていきましょう。

a:誤りです。
著作権法第 30 条の2で規定される写り込みとは、写真や動画などに本来の目的のもの以外の著作物が写り込んでしまった場合などのこと

です。正当な範囲内であれば、写り込みは著作権侵害にはなりません。
よって、この選択肢は×です。

b:その通りです。
よって、この選択肢は〇です。

c:誤りです。
意匠権は物品や画像、建築物、内装についてこれらの形状、模様、色彩、または、これらの結合であって視覚を通じて美感を起こさせるものである意匠に関する権利のことです。スマートフォンでいえば、デザインのかっこよさに関わるものです。
よって、この選択肢は×です。

d:その通りです。
よって、この選択肢は〇です。

 

以上から、正解は選択肢エとなります。

 

 

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