【過去問解説(経営法務)】H29 第14問 行為能力

今日は、経営法務 H29 第14問 について解説します。

 経営法務 H29 第14問

行為能力に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 制限行為能力者が、自らが制限行為能力者であることを告げずに契約を締結したことのみをもって、当該制限行為能力者は当該行為を取り消すことができなくなる。
イ 被保佐人と契約をする場合には、その保佐人を代理人として締結しなければならない。
ウ 不動産業を営むことを許された未成年者が、その営業に関して不動産を売却する場合は、法定代理人の同意を得る必要はない。
エ 未成年者が債権者との間で当該未成年者の債務を免除する契約を締結するには、法定代理人の同意を得なければならない。

解説

民法から、行為能力に関する問題です。
行為能力とは、契約などの法律行為を単独で確定的に有効に行うことができる能力を指します。

それでは選択肢をみていきましょう。

選択肢ア:誤りです。制限行為能力者とは、自らの意思に基づいて判断ができない、または法律行為をすることのできない者のことで、 具体的に未成年者、成年被後見人、被保佐人、同意権付与の審判を受けた被保佐人としています。
選択肢の内容については民法の細かい論点や判例に関連するので割愛しますが、「自らが制限行為能力者であることを告げずに契約を締結したこと」のみだけで契約を取り消せなくなる、ということはありません。

よって、この選択肢は×です。

選択肢イ:誤りです。被保佐人と契約をする場合には、同意権付与の審判を受けた被保佐人「本人」(代理人ではない)と契約を締結します。
よって、この選択肢は×です。

選択肢ウ:その通りです。民法第6条より、一種又は数種の営業を許された未成年者は、その営業に関しては、成年者と同一の行為能力を有する、とされていますので、不動産業を営むことを許された未成年者は、法定代理人の同意が無くても不動産の売却は可能です。
よって、この選択肢は〇です。

選択肢エ:誤りです。民法第5条1項より、「未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。 ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。 」とありますので、法定代理人の同意を得る必要はありません。
よって、この選択肢は×です。

以上から、正解は選択肢ウとなります。

尚、⺠法その他は会社法や知的財産権よりは優先度は低いので、まずは会社法や知的財産権をしっかり押さえてから⺠法その他を押さえ
るようにしましょう。

 

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