【過去問解説(法務)】H27 第10問 商標

今日は、経営法務のH27 第10問について解説します。

経営法務 H27 第10問

中小企業診断士のあなたは、顧問先より以下の内容の質問を受けた。この質問に対する回答として、最も不適切なものを下記の解答群から選べ。

当社に対してライバルのX社より、同社が5年前に登録した商標Bについて、「あなたの会社が使用している商標Aは、わが社が5年前に登録した商標Bの商標権を侵害しているため、当該商標Aの使用を即刻中止するよう求める」との内容の
警告状が送られてきました。当社が取りうる対応としては、どのようなものがあるか教えてください。

[解答群]
ア 商標Aが商標Bの商標権の効力の範囲内に含まれるか否かについて、特許庁に判定を求める。
イ 商標Bが商標Bの指定商品について、継続して3年以上不使用の状態ではないかを調べる。
ウ 商標Bに商標法で定める不登録事由がないかを調べ、あれば特許庁に対して異議申立てを行う。
エ ライバルの X 社が実際に商標Bの登録を所有しているか否かを、商標登録原簿で調べる。

解説

商標権の侵害とその対応に関する問題です。

以下は、まとめシートより、関連する箇所を抜き出しております。

それでは選択肢をみていきましょう。
今回は不適切なものを選ぶ問題です。

選択肢ア:その通りです。特許庁に判定を求めることは可能です。解答の内容とは少しズレますが、特許庁はあくまで見解を述べるにすぎないので、確定的な拘束力はもたないとされています。
よって、この選択肢は〇です。

選択肢イ:その通りです。上のまとめシートの赤枠の通り、商標権の場合は⽇本国内で継続して3年以上使われていない登録商標については商標登録の取り消しを請求する不使⽤取消審判を請求することができます。
よって、この選択肢は〇です。

選択肢ウ:誤りです。上のまとめシートの緑枠の通り、登録異議申⽴は特許法、商標法で規定されている制度で、特許や商標登録に異議がある場合、特許では公報発⾏⽇から6か⽉以内、商標では公報発⾏⽇から2か⽉以内であれば、誰でも異議を申⽴てることができます。もしB社が対応として「無効審判の請求」であれば可能と考えられます。
よって、この選択肢は×です。

選択肢エ:その通りです。相手が本当にその商標を登録しているのか、まずは確認する必要があります。
よって、この選択肢は〇です。

以上から、不適切なものを選ぶ問題ですので、正解は選択肢ウとなります。

 

 

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