今回は経営情報システムのH25年第16問の経営情報管理に関する問題について解説します。
H25 情報 第16問
クラウドサービスの活用に関する記述として最も適切なものはどれか。
ア クラウドサービス事業者が SaaSを提供しているとき、それに必要なサーバを自社で持っていない場合がある。
イ クラウドサービス事業者がパスワードリセット機能を提供している場合、ユーザ企業ではクラウドサービスのすべての利用者にその方法を伝えて、パスワードを自分で再設定できるようにしておくのがよい。
ウ クラウドサービス事業者がバックアップをアーカイブとして確保しているので、ユーザ企業側でバックアップする必要はない。
エ クラウドサービスの稼働率が SLA(Service Level Agreement)で年 99.9%以上と保証されていれば、不慮のサービス停止の場合でも1時間以内に稼働状態に復旧できる。
解説
それでは各選択肢を見ていきましょう。
選択肢アのSaaSはSoftware as a Serviceの略で、GmailなどのGoogleアプリケーションなどのように必要な機能を必要な分だけ利用できるようにしたソフトウエアのことです。
SaaSを提供する事業者はソフトウエアの機能を提供する役割であるため、自社でサーバーを持たずに他社のサーバーを利用してサービスを提供することもできます。
よってこの選択肢は〇です。
ここで答えは選択肢アとなりましたが、念のため他の選択肢も見てみましょう。
選択肢イは、一般常識問題のような問題ですが、企業でクラウドサービスを使う際は、全ての利用者がパスワードリセット機能を使えるようにせず、管理者を置いて管理した方がセキュリティ上望ましいためこの選択肢は×です。
選択肢ウも一般常識問題のような問題ですが、クラウドサービス事業者がバックアップしてくれていたとしても、ユーザ企業側でバックアップしておいた方が安全です。よってこの選択肢は×です。
選択肢エは、選択肢アが〇なので×と考えられますので、時間がなければ詳しく計算する必要はありませんが、時間が余っていたら念のため確認の計算をしてみても良いでしょう。
稼働率が年99.9%ということは、故障して停止している時間をtとおくと、
0.999=(24×365-t)/(24×365) となります。
0.999=1-t/(24×365)
t/24×365=1-0.999
t=0.001×24×365=8.76
より、故障して停止している時間は8.76時間となり、1時間以内とは言えないのでこの選択肢は×といえます。
以上から正解は選択肢アとなります。
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