今日は、企業経営論のR6第40問について解説します。
下図は、「自分でわかっている」自己と「他人がわかっている」自己の一致・不一致を、窓の様に見える4つの枠に分類したジョハリの窓と呼ばれる概念図である。企業が消費者の自己に関するデータを収集する場合、どのリサーチ手法が、どの窓の自己データ収集において有効かを期した記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
自分でわかっている | 自分ではわからない | |
他人がわかっている | 開放の窓 | 盲点の窓 |
他人はわからない | 隠された窓 | 未知の窓 |
【解答群】
ア インタビュー調査は、どの窓の自己データの収集についても有効ではない。
イ 行動観察調査は、「開放の窓」についてのデータを得るために有効ではない。
ウ 行動観察調査は、「盲点の窓」についてのデータを得るために有効である。
エ 定量的なアンケート調査は、「開放の窓」と「盲点の窓」についてのデータを得るために有効である。
オ 定量的なアンケート調査は、「未知の窓」についてのデータを得るために有効である。
解説
マーケティングリサーチに関する問題です。
それでは選択肢をみていきましょう。
選択肢ア:誤りです。
インタビュー調査は調査対象者にインタビュー形式で回答を貰い、データを得る方法です。
インタビュアーの能力によって得られるデータに差が発生するという不確実性はありますが、自分がわかっていて他人もわかっている「開放の窓」だけでなく、デプスインタビューなどで調査対象者の深層心理を深掘りすることで、自分がわかっておらず他人がわかっている「盲点の窓」を引き出すこともできます。
インタビュー調査はどの窓の自己データの収集についても有効ではない、という記載は誤りです。
よって、この選択肢は×です。
選択肢イ:誤りです。
行動観察調査はエスノグラフィー調査とも呼ばれます。
観察法の一種であり、専⾨調査員が家庭に⼊り込んで⽣活しながら記録するなどによって調査を進めます。
行動観察調査で見えてくるものは、他人が分かる窓です。
これに該当するものは「開放の窓」と「盲点の窓」となりますので、「開放の窓」についてのデータを得るために有効です。
よって、この選択肢は×です。
選択肢ウ:その通りです。
行動観察調査は調査に手間が掛かるという欠点はありますが、調査対象者の潜在的なニーズを把握することができます。
潜在ニーズに該当する窓は、自分がわかっておらず他人がわかっている「盲点の窓」となります。
よって、この選択肢は〇です。
選択肢エ:誤りです。
アンケート調査は、あらかじめ設定した質問を調査対象者に回答してもらい、その結果を収集する方法です。
回答するのが調査対象者自身であることから、アンケート調査で見えてくるものは自分がわかる窓です。
これに該当するものは「開放の窓」と「隠された窓」となりますので、「未知の窓」についてのデータを得るために有効ではありません。
よって、この選択肢は×です。
以上から、正解は選択肢ウとなります。
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