今日は企業経営理論H28第12問から組織構造の形態に関する問題について解説します。
H28 第12問
機能別組織、事業部制組織、マトリックス組織の特徴に関する記述として、最も
適切なものはどれか。
ア 機能別組織は部門間で緊密な調整が必要な場合に有効であるが、安定した環境のもとで官僚制的な組織になるという短所がある。
イ 事業部制組織が有効に機能するためには、トップマネジメントが業務的意思決定から解放され、戦略的意思決定と管理的意思決定に専念できるようにする必要がある。
ウ 事業部制組織は複数の製品―市場分野を持つ企業が、範囲の経済を実現するのに適しているが、規模の経済を追求することは難しい。
エ マトリックス組織は変化の速い環境で部門間の相互依存が高い場合に有効であるが、コンフリクトや曖昧さを許容する組織文化を持たないと効果的に機能しにくい。
オ マトリックス組織を効果的に管理するためには、1人の部下に対して、機能マネジャーとプロダクトマネジャーが同じ権限を持っていなければならない。
解説
それでは早速各選択肢を見ていきましょう。
選択肢アの機能別組織は、「部門間で緊密な調整が必要な場合に有効」とありますが、逆に縦割りになりがちで、横方向の部門間での緊密な調整には向かないため×となります。
選択肢イは、「戦略的意思決定と管理的意思決定に専念できるようにする必要がある」とありますが、管理的意思決定までトップマネジメントが行う必要があるのか疑問です。ただ、絶対に×とするのは若干不安な面もあるので、いったんパスして先の選択肢を見てみます。
選択肢ウでは「範囲の経済を実現するのに適している」という記述があります。しかし、事業部制組織はそれぞれの事業部が各機能を持ち、迅速な事業展開が可能というメリットがありますが、事業部間でのセクショナリズムが起こりやすく、範囲の経済を実現するのに適しているとは言い切れません。
よってこの選択肢は×です。
選択肢エはその通りで、マトリックス組織には、コンフリクトやあいまいさを許容する組織文化が必要とされています。
選択肢エが明らかに〇なので、一旦パスした選択肢イも×とすることができます。
選択肢オは、逆に、昨日マネージャーとプロダクトマネージャーが同じ権限を持ってはいけないので×です。
以上から、正解は選択肢エとなります。
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