今日は、企業経営理論のR5 第35問(設問1)について解説します。
消費者ニーズの充足や顧客満足の向上を目指すマーケティングにとって、消費者を理解することは不可欠である。企業は、①消費者の購買意思決定プロセスや②消費者に及ぼす心理的効果についての理解を通して、適切なマーケティングを実行していく必要がある。
(設問1)
文中の下線部①に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 購入したブランドの欠点と購入しなかったブランドのベネフィットなどを考えた結果、生じる認知的不協和には、自分なりの基準に見合う商品が見つかれば購入に至るタイプの消費者よりも、選択に膨大な時間と手間をかけて最高の選択をしようとするタイプの消費者の方が陥りやすい。
イ 購買意思決定に必要な情報探索は、広告や販売員の説明といった売り手主導のマーケティング情報を探すという外部情報探索と、クチコミなどの買い手によるマーケティング情報を探すという内部情報探索とに分類される。
ウ 購買意思決定プロセスのスタートは、消費者が満たされていない特定のニーズを認識することから始まるが、こうしたニーズのうち、企業がアンケート調査を実施しても把握することができないニーズは真のニーズである。
エ 消費者の意思決定に及ぼす準拠集団の影響の中で、消費者が自分のイメージを高めたりアイデンティティを強化できると期待して、憧れや尊敬を抱く集団と同じブランドを購入したり利用したりするという形で現れる影響のことを情報的影響という。
オ 製品関与は、製品やサービスの購入の必要性や緊急性、店舗環境や品揃えなどの購買状況の魅力によって左右される関与のことであり、製品関与が高くなるほど購買決定における情報探索活動は活発になる。
解説
購買決定プロセスに関する問題です。
まとめシートでは、以下の通り解説しています。
それでは選択肢をみていきましょう。
選択肢ア:その通りです。
認知的不協和とは、「自分の選択が間違っていたのではないか?」と不安を感じるストレスのことです。選択に膨大な時間と手間をかけて最高の選択をしようとするタイプの消費者は、購入後に「本当に最高の選択だったのか?」と不安を感じ、認知的不協和に陥りやすいと考えられます。
よって、この選択肢は〇です。
選択肢イ:誤りです。
購買意思決定に必要な情報探索は、自分以外の情報源から情報を探索する外部情報探索と、自分の経験や知識から情報を探索する内部情報探索に分類されます。選択肢中の「クチコミ」は他者の意見であり、内部情報探索ではなく外部情報探索に分類されます。
よって、この選択肢は×です。
選択肢ウ:誤りです。
購買意思決定プロセスのスタートは、消費者が満たされていない特定のニーズを認識することから始まるという記述は正しいです。ニーズを把握する手法として、アンケート調査が考えられます。しかし、当選択肢では誰にどのようなアンケートを行うのかが明記されておらず、「企業がアンケート調査を実施しても把握することができないニーズは真のニーズである」と言い切るには不適切と考えられます。
よって、この選択肢は×です。
選択肢エ:誤りです。
情報的影響とは、自分の判断が正しいかどうかがわからないので、他社の判断を基準にする形で現れる影響をいいます。
消費者が自分のイメージを高めたりアイデンティティを強化できると期待して、憧れや尊敬を抱く集団と同じブランドを購入したり利用したりするという形で現れる影響は、自己高揚といいます。
よって、この選択肢は×です。
選択肢オ:誤りです。
製品関与とは、製品に関する顧客の「こだわり」のことです。製品やサービスの購入の必要性や緊急性によって左右され、製品関与が高くなるほど購買決定における情報探索活動は活発になります。しかし、店舗環境や品揃えなどの購買状況の魅力によって左右され関与は状況関与であり、製品関与ではありません。
よって、この選択肢は×です。
以上から、正解は選択肢アとなります。
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