【過去問解説(企業経営理論)】R4 第6問 垂直統合

今日は、企業経営理論のR4 第6問 について解説します。

 企業経営理論 R4 第6問 

ある企業では、近隣農家からブドウを仕入れて、仕入れたブドウだけを使って自社でワインを製造し、製造したワイン全量を近隣の酒販店に卸売りしている。この企業の垂直統合に当たる行動として、最も適切なものはどれか。

ア 近隣農家からの仕入れが不安定であることの対策として、ブドウが収穫される半年前に仕入価格を決定し、その価格で買い取ることにした。
イ 販売戦略を見直し、製造したワイン全量を近隣の酒販店に販売することを止めて、製造したワインの半分を遠方の酒販店に販売することにした。
ウ 販売戦略を見直し、製造したワインの一部を自社で運営する Web サイトで消費者に直接販売することにした。
エ ワインケーキ需要の拡大を受けて、自社で製造したワインをワインケーキの製造業者に原料として販売することにした。
オ ワイン需要が堅調なことを受けて、近隣農家からのブドウの仕入れを増やし、生産能力向上のための設備投資を行った。

解説

垂直統合に関する問題です。

まとめシートで以下の通り解説しています。
外部組織との連携・統合はその方向性により、垂直的統合と水平的統合に分類できます。垂直的統合は例えば、サプライヤー、メーカー、卸、小売といったようなサプライチェーンを形成する企業が統合することで、流通の全体最適化や、コストの削減を図ることができます。

それでは選択肢をみていきましょう。

選択肢ア:誤りです。仕入れを近隣農家から行っている点は現在と変わっていないため、垂直統合には当たりません。
よって、この選択肢は×です。

選択肢イ:誤りです。販売先は変わりましたが、酒販店に卸しているという点ではサプライチェーンの統合はできておらず、垂直統合には当たりません。
よって、この選択肢は×です。

選択肢ウ:その通りです。酒販店への卸売りという経路から、自社での直接販売に変更している点でサプライチェーンの垂直統合にあたります。
よって、この選択肢は〇です。

選択肢エ:誤りです。新たな取引先は増えていますが、販売先の統合はされていません。
よって、この選択肢は×です。

選択肢オ:誤りです。仕入れ量は増えていますが、仕入れ先自体は変わっておらず、統合もされていません。
よって、この選択肢は×です。

以上から、正解は選択肢ウとなります。

 

 

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