【過去問解説(企業経営理論)】R4 第5問 M&Aの手法

今日は、企業経営理論 R4 第5問 について解説します。

 企業経営理論 R4 第5問

M&A(企業の合併・買収)に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア TOB とは、買収コストを充足するために、買収する企業の資産や買収後のキャッシュフローを担保として借入金を調達し、企業買収を行う手法である。
イ 黄金株とは、会社の合併などの重要な決議事項について、株主総会で拒否権を行使できる株式であり、敵対的買収に対する防衛策となる。
ウ カーブアウトとは、敵対的買収の対象となる企業の経営者が、買収される前に会社の魅力的な資産を売却して、敵対的買収の意欲を削ぐ買収防衛策である。
エ コントロール・プレミアムとは、企業の経営陣が企業の所有者から株式などを買い取り、経営権を取得することで生じる 1 株当たりの価値の上昇分を指す。

解説

M&Aの手法に関する問題です。
M&Aの手法については、まとめシートで以下の通り解説しています。

それでは選択肢をみていきましょう。

選択肢ア:誤りです。選択肢の説明はLBOに関するものです。TOB(Take Over Bid)とは、価格・株数・期間を公開して市場を通さずに直接株主から株式を買い付けする方法です。
よって、この選択肢は×です。

選択肢イ:その通りです。黄金株とは拒否権付種類株式ともいい、会社の合併などの重要な決議事項について拒否権を行使できる株式のことで、敵対的買収に対する防衛策として有効です。
よって、この選択肢は〇です。

選択肢ウ:誤りです。カーブアウトとは、企業が自社事業の一部門を切り出し、新たにベンチャー企業を立ち上げて独立させることです。
よって、この選択肢は×です。

選択肢エ:誤りです。少し専門的な知識ですが「株式取得者」が「支配権を取得することで生じる1株当たりの価値の上昇分」を表します。知らなければパスでも大丈夫です。
よって、この選択肢は×です。

以上から、正解は選択肢イとなります。

 

 

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