【過去問解説(企業経営理論)】R4 第10問 知識創造理論・SECIモデル

今日は、企業経営理論 R4 第10問 について解説します。

 企業経営理論 R4 第10問

野中郁次郎が提唱した知識創造理論に基づいて、組織的な知識創造を阻害したり促進したりする要因に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 経営者の主観的な思いは、組織的な知識創造を阻害する。
イ 組織構成員に自律性を与えると、全体の統制が取れなくなるので、組織的な知識創造は阻害される。
ウ 組織構成員に当面必要のない仕事上の情報を重複して共有させると、コミュニケーションに混乱が生じるので、組織的な知識創造は阻害される。
エ 組織構成員に複数の役割を経験させ、多面的に物事を考えさせるようにすると、組織的な知識創造は促進される。
オ 組織構成員間で暗黙知が共有できるまで、外部組織とはできるだけ接触させない方が、組織的な知識創造は促進される。

解説

知識創造理論からSECIモデルに関する問題です。
SECIモデルについては、まとめシートで以下の通り解説しています。

 

SECI モデルとは、知識創造理論において組織のメンバーが蓄積した知識や経験を組織全体で共有し、新たな発見を得るための枠組みのことです。
Socialization(共同化)、Externalization(表出化)、
Combination(連結化)、Internalization(内面化)の4つのプロセスから構成されます。

それでは選択肢をみていきましょう。
少し専門的な知識で読みにくいため、消去法ではなく正解を当てに行く戦略が良さそうです。

選択肢ア:誤りです。経営者の主観的な思いは、組織的な知識創造を促進すると考えられます。
よって、この選択肢は×です。

選択肢イ:誤りです。自律性は組織的な知識創造を促進すると考えられます。
よって、この選択肢は×です。

選択肢ウ:誤りです。当面必要のない仕事上の情報を重複して共有させることは、組織的な知識創造を促進すると考えられます。
よって、この選択肢は×です。

選択肢エ:その通りです。選択肢の説明は表出化→共同化の流れに関するものと考えられます。、共同化は、例えばOJT を通して熟練工の持つ技能を継承するといったように、経験を通して暗黙知を他者に受け継ぐプロセスです。表出化は、例えば職人の持つ技術をマニュアル化するといったように、個人が所有している暗黙知を言語化したり、図や表にしたりすることで、組織のメンバーと技術を共有するプロセスです。
よって、この選択肢は〇です。

選択肢オ:誤りです。外部組織と接触させないことは組織的な知識創造を阻害すると考えられます。
よって、この選択肢は×です。

以上から、正解は選択肢エとなります。

 

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