今日は、企業経営理論のR1 第14問について解説します。
組織学習は、一般に低次学習と高次学習に分けて考えることができる。組織学習に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア D.マグレガーのいうY理論に基づく管理手法を採用すると、低次学習が促進されるため、組織の業績は悪化する可能性が高まる。
イ 新たに組織に参加した組織メンバーは、組織の周縁にいるために、社会化のプロセスを通じて積極的に高次学習をさせる必要がある。
ウ 高次学習とは組織の上位階層で行われている学習であり、低次学習とは組織の下位階層で行われている学習である。
エ 組織の行動とそれが環境に与える効果の因果関係が分かりにくい場合、迷信的学習といわれる低次学習が起こりやすい。
オ 低次学習とは組織の成果にとって悪い影響を与える学習であり、高次学習とはより高い成果をあげるために不可欠であるため、組織メンバーに高次学習を意識させることが重要である。
解説
組織学習に関する問題です。
先日、YouTubeにて「【企業経営理論の得点力アップ!】選択肢のパターン|問題文の正誤を判断するノウハウ」というテーマの動画を出しました!
今回の問題は動画の中でご紹介している選択肢の選び方について活用できる部分もありましたので、そちらも踏まえて解説していきます。
また、本問で問われている低次学習と高次学習について、まとめシートでは以下の通り解説しています。
以上を踏まえて選択肢をみていきましょう。
選択肢ア:マグレガーのXY 理論では、人には性悪説的なネガティブな部分(X 理論)と性善説的なポジティブな部分(Y 理論)の2 つの側面があり、自己実現を目指すY 理論の要素が強い人材は、自らが設定した目標に対してはそれを達成するために積極的に働くとされています。つまり、Y理論を採用すると、主に高次学習が促進されると考えられます。
よって、この選択肢は×です。
ちなみに、こちらはYouTubeでご紹介している、②「対用語が入れ替わっている」のパターンで、低次学習と高次学習が入れ替わっていますね。
選択肢イ:新たに組織に参加したメンバーは、まずは低次学習により基本的なことを学ぶ必要があると考えられます。
よって、この選択肢は×です。
こちらも、同じくパターン②で、低次学習と高次学習が入れ替わっていますね。
選択肢ウ:学習の内容が高次学習だと組織の上層、低次学習だと組織の下層というわけではなく、どちらの学習も組織の階層に関係なく行われます。
よって、この選択肢は×です。
選択肢エ:その通りです。迷信的学習とは、組織の行動とそれが環境に与える効果の因果関係がわかりにくい状態のことです。このような状況での学習は革新的な学習よりは繰り返しの学習に近く、一般的に高次学習より低次学習が起こりやすいといえます。
よって、この選択肢は〇です。
選択肢オ:低次学習=組織に悪い影響を与える学習、というわけではありません。
よって、この選択肢は×です。
ちなみに、こちらはパターン③「長い文中で因果関係のずれがわかりにくい」に近いと思います。
後半の組織学習に関する説明が正しそうなので、なんとなく前半もそれに引っ張られて正しそうに見えますが、文章を低次学習、工事学習についてそれぞれ区切って考えてみるとすっきりと分かりやすくなりそうです。
以上から、正解は選択肢エとなります。
企業経営理論の得点力アップについての動画です。
是非参考にしてみてください!
◆ブログ村参加しています◆
気に入っていただけたら、クリックお願いします!
2022年度版まとめシート
好評発売中!