今日は、企業経営理論 H28 第5問について解説します。
多数の競争相手が互いにしのぎを削る熾烈(しれつ)な競争を繰り広げている業界での、効果的な戦略対応に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
ア これまでの内部留保を活用して、同業他社との合併を進めることで市場シェアを拡大し、規模の経済や経験効果を高めて、コスト優位性を生み出して収益の拡大を図る。
イ 差別化が難しい汎用品による乱戦状況を改善するべく、加工の水準をあげて顧客の信頼を得たり、顧客に利便性の高いサービスを付け加えたりして、自社製品の付加価値を高めて、根強いロイヤルティをもつ顧客層の拡大を図る。
ウ 多種多様な顧客ニーズに対応するべくあらゆる製品を提供して、大量生産によるコスト優位による競争優位を確立する。
エ 多数の企業が乱立する原因である多様な市場ニーズに対応するべく、製品の設計を見直して生産コストを大幅に切り下げて、標準品が買い得であることを理解してもらい、規模の経済を基に競争優位をつくり出す。
解説
競争戦略に関する問題です。
競争戦略について、まとめシートで以下の通り解説しています。
それでは選択肢をみていきましょう。
今回は不適切な選択肢を選びます。
選択肢ア:その通りです。規模の経済とは、特に固定費の大きい事業に生じる効果で、生産規模の拡大にともなって1 単位当たりの生産コ
ストに占める固定費の割合が低下するため、1 単位当たりのコストが低下するというものです。同業他社との合併を行うとこの規模の経済の効果をより発揮することができるため、コスト優位性を生み出して収益の拡大が実現できます。
よって、この選択肢は〇です。
選択肢イ:その通りです。差別化戦略に代表されるように、他社には真似しにくい製品やサービスで他社と差別化することで、高い価値を維持し、価格競争に巻き込まれないようにすることで競争優位を図ります。
よって、この選択肢は〇です。
選択肢ウ:誤りです。多種多様な顧客ニーズに対応するべくあらゆる製品を生産すると、多種少量生産になってしまうため、大量生産によるコスト優位を発揮することが出来ません。
よって、この選択肢は×です。
選択肢エ:その通りです。通常、多種少量生産の場合コスト優位を発揮しづらいですが、製品の設計を見直して生産コストを大幅に切り下げ、標準品の値ごろ感を出すことは規模の経済を基に競争優位を発揮するのに有効な手段です。
よって、この選択肢は〇です。
以上から、不適切な選択肢を選びますので、正解は選択肢ウとなります。
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