こんにちは。まとめシート著者の野網です。
今回は経営法務について解説します。
経営法務は今年は全部で25問でした。
出題の内容としてはざっくりと分類すると会社法関連が第8問まで(第4問の相続、第7問の下請法などを除く)、知的財産権関連が第9問から第15問、第16問以降がその他となっていました。
昨年は得点調整が8点も入るほど難しかったですが、今年はさすがに去年やり過ぎたことを反省したのか、理性的な難易度になっていました。
会社法は一部少し難しい問題もありましたが、昨年の平成30年のようなひどい難しさの問題ではなく、しっかりと勉強していれば取れる問題も含まれていました。
知的財産関連の問題は対応しやすい問題が多く、稼ぎどころでした。知的財産関連の問題をどれだけ確実に取れたかが、今年の経営法務で合格点を取れたかどうかのカギだったかと思います。
その他の問題は対応が難しい問題も多かったと思いますが、この分野は例年とても対応が難しいので、取れなかったとしてもそれほど気にする必要はありません。それよりも、頻出論点である会社法と知財をしっかり取れるようになっておくことが重要です。
全体の難易度としては、それほど簡単とは言えないものの、昨年の得点調整が8点も入るような異常な難しさではなく、普通~やや難程度でしょう。昨年との比較という面では大幅に易化したといえます。
それでは、これから早速今年の問題の過去問解説を始めたいと思います。
R1 経営法務 第12問
以下の会話は、中小企業診断士であるあなたと、玩具メーカーのX株式会社の代表取締役甲氏との間で本年8月に行われたものである。会話の中の空欄AとBに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
あなた:「先月の業界誌で、御社の新製品が好評との記事を読みました。」
甲 氏:「はい、6月に大規模展示施設の展示会で発表したのですが、おかげさまで、クリスマス商戦に向けて引き合いがたくさん来ています。」
あなた:「この製品、外観がとてもユニークですが、意匠登録出願はされましたか。」
甲 氏:「実をいうと、こんなに売れるとは思っていなかったので、意匠登録出願に費用をかけなかったんです。こんなに好評なら、模倣品対策のため、発表前に出願しておけばよかったです。」
あなた:「[ A ]の規定を用いれば、意匠登録出願することができる場合がありますよ。」
甲 氏:「本当ですか。どのくらいの期間認められているのでしょう。」
あなた:「今回の場合は、展示会に出品した日が起算日になると思いますが、その日から[ B ]間です。」
甲 氏:「よかった、まだ間に合いそうです。急いで特許事務所に相談してみます。」
〔解答群〕
ア A:国内優先権 B: 6 か月
イ A:国内優先権 B: 1 年
ウ A:新規性喪失の例外 B: 6 か月
エ A:新規性喪失の例外 B: 1 年
解説
今回は、新規性喪失の例外の問題を取り上げます。
新規性喪失の例外はまとめシートでも以下のような形で掲載していました。
これを踏まえて問題を見ていきましょう。
まず、選択肢Aには、頒布・公表等で新規性を失った後でも所定の手続きを取れば、特許や考案、意匠の出願ができるという規定である、新規性喪失の例外が入ります。
また、空欄Bには、上の図にもある通り、1年が入ります。
以上から正解は選択肢エとなります。
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