今日は、令和6年度 第40問について解説します。

令和6年度賃貸不動産経営管理士試験 第40

特定家庭用機器再商品化法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

 

①  賃貸管理業者が建物所有者のために共同調達組織から家庭用エアコンを調達する場合、建物所有者に当該エアコンの代金を請求しても、賃貸管理業者が小売業者となることはない。

②  賃貸管理業者が小売業者に該当する場合、賃貸管理業者は建物所有者から排出される家庭用エアコンを引き取って、製造業者等へ引き渡さなければならず、当該収集運搬業務を第三者に委託することができない。

③  賃貸管理業者が小売業者に該当する場合、賃貸管理業者は建物所有者から排出される家庭用エアコンの指定引取場所までの収集運搬に要する料金について、建物所有者からの求めに応じて応答する義務があるだけでなく、収集運搬料金を事前に公表する義務もある。

④  賃借人が賃貸人の承諾を得て、家電量販店から家庭用エアコンを購入し、賃貸物件に設置した後、退去時に賃借人が当該エアコンを廃棄する場合、賃貸管理業者は小売業者に該当し、賃借人から当該エアコンを引き取らなければならない。

 

 

解説

特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)に関する問題です。

家電リサイクル法は、使用済み家電製品の適正なリサイクルを促進し、資源の有効利用と廃棄物の減量を図るための法律です。

具体的には、エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・乾燥機の4品目を対象とし、小売業者や製造業者に再商品化が義務付けられています。

それではさっそく選択肢を確認しましょう。

 


選択肢 ①

賃貸管理業者が建物所有者のために共同調達組織から家庭用エアコンを調達する場合、建物所有者に当該エアコンの代金を請求しても、賃貸管理業者が小売業者となることはない

 

×不適切です

家電リサイクル法において「小売業者」とは、家電製品を仕入れて、販売する者を指します。

賃貸管理業者が家電量販店や共同調達組織、販社などから家庭用エアコンを調達し、オーナーにその代金を請求している場合は、賃貸管理業者は小売業者となります。

つまり、賃貸管理業者が建物所有者のために共同調達組織から家庭用エアコンを調達する場合、建物所有者に当該エアコンの代金を請求する場合は、賃貸管理業者は小売業者となります。よってこの選択肢は不適切です。

 


選択肢 ②

賃貸管理業者が小売業者に該当する場合、賃貸管理業者は建物所有者から排出される家庭用エアコンを引き取って、製造業者等へ引き渡さなければならず、当該収集運搬業務を第三者に委託することができない

 

×不適切です

家電リサイクル法では、小売業者には、排出者(この場合は建物所有者)からの引取義務および製造業者等への引渡義務が課されています。

ただし、排出者からの引取りと、製造業者等への引渡しについては、廃棄物処理法上の収集運搬許可を有する者に委託して実施することも可能です。

つまり、賃貸管理業者が小売業者に該当する場合、賃貸管理業者は建物所有者から排出される家庭用エアコンを引き取って、製造業者等へ引き渡さなければならず、当該収集運搬業務を第三者に委託することができます。よってこの選択肢は不適切です。

 


選択肢 ③

賃貸管理業者が小売業者に該当する場合、賃貸管理業者は建物所有者から排出される家庭用エアコンの指定引取場所までの収集運搬に要する料金について、建物所有者からの求めに応じて応答する義務があるだけでなく、収集運搬料金を事前に公表する義務もある。

 

〇適切です。

家電リサイクル法では、小売業者には、収集運搬料金の公表・応答義務(リサイクル料金を含む)が課されています。

小売業者は、指定引取場所までの収集運搬に要する料金を排出者(この場合は建物所有者)に請求することができますが、その料金は事前に公表しなければなりません。
また、排出者から求められたときは、収集運搬料金や製造業者等が定めるリサイクル料金を示さなければならないとされています。

選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。

 


選択肢 ④

賃借人が賃貸人の承諾を得て、家電量販店から家庭用エアコンを購入し、賃貸物件に設置した後、退去時に賃借人が当該エアコンを廃棄する場合、賃貸管理業者は小売業者に該当し、賃借人から当該エアコンを引き取らなければならない

 

×不適切です

小売業者に引き取り義務が生じるのは、
① 自らが過去に販売した廃家電の引取りを求められたとき
② 買換えの際に同種の廃家電の引取りを求められたとき
のいずれかの場合です。

この選択肢の場合は、借主が家電量販店からエアコンを購入しており、賃貸管理業者は販売に関与していません。
また、買い換えではなく、単なる処分であるため、小売業者の引取義務は発生しません。

つまり、賃借人が賃貸人の承諾を得て、家電量販店から家庭用エアコンを購入し、賃貸物件に設置した後、退去時に賃借人が当該エアコンを廃棄する場合、賃貸管理業者は賃借人から当該エアコンを引き取る義務は生じません。よってこの選択肢は不適切です。

 


 

以上から、正解は選択肢③となります。

 

第39問に引き続き、学習範囲外の出題テーマであった可能性が高い問題です。

 

公式テキストにも家電リサイクル法に関する記述はありますが、本問を解くために必要な情報量は十分ではなく、戸惑った受験生も多かったのではないかと思われます。

この問題は解けなくても致し方ない部分があります。
したがって、わからないからといって深入りして学習する必要はありません。

それよりも、重要な出題テーマを確実に理解し、得点できる範囲を広げることが、合格への近道です。

 

解説を読んで、知識の幅を広げる程度にとどめておくと良いでしょう。
なお、本問の解説にあたっては、経済産業省のHPを参照いたしました。

 

 

 

 

 

 

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