今日は、令和6年度 第33問について解説します。

令和6年度賃貸不動産経営管理士試験 第33

特定転貸事業者及び勧誘者に対する監督等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

 

①  国土交通大臣は、特定賃貸借契約の適正化を図るために必要があるときは、特定転貸事業者に対し、転借人との間で借地借家法上、無効な特約を締結したことを理由として、是正のための措置その他の必要な措置をとるべきことを指示することができる。

②  国土交通大臣は、不当な勧誘等の禁止違反の是正のために必要な措置をとるべきことを指示した特定転貸事業者が、その指示に従わないときは、3年間、特定賃貸借契約に関する業務の全部又は一部を停止すべきことを命ずることができる。

③  特定賃貸借契約の勧誘者が、特定賃貸借契約の適正化を図るために必要があるとして、国土交通大臣から勧誘行為につき報告を求められたにもかかわらず、その報告を怠ったときは、30万円以下の罰金に処せられる。

④  特定賃貸借契約の適正化を図るために必要があるときは、当該特定賃貸借契約の直接の利害関係者に限り、国土交通大臣に対し、その旨を申し出て、適当な措置をとることを求めることができる。

 

 

解説

特定転貸事業者や勧誘者に対する監督等に関する問題です。

 

それではさっそく選択肢を確認しましょう。

 


選択肢 ①

国土交通大臣は、特定賃貸借契約の適正化を図るために必要があるときは、特定転貸事業者に対し、転借人との間で借地借家法上、無効な特約を締結したことを理由として、是正のための措置その他の必要な措置をとるべきことを指示することができる

 

×不適切です

国土交通大臣は、特定賃貸借契約の適正化を図るために必要があるときは、特定転貸事業者に対し、違反行為の是正のための措置その他の必要な措置をとるべきことを指示することができます。

ただし、その対象となる違反行為は、誇大広告等の禁止、不当な勧誘等の禁止、重要事項説明義務、契約締結時の書面の交付義務、書類の閲覧義務に違反した場合です。

借地借家法上の違反行為については、賃貸住宅管理業法上の処分の対象とはなりません。

つまり、国土交通大臣は、特定賃貸借契約の適正化を図るために必要があるときは、特定転貸事業者に対し、転借人との間で借地借家法上、無効な特約を締結したことを理由として、是正のための措置その他の必要な措置をとるべきことを指示することはできません。よってこの選択肢は不適切です。

 


選択肢 ②

国土交通大臣は、不当な勧誘等の禁止違反の是正のために必要な措置をとるべきことを指示した特定転貸事業者が、その指示に従わないときは、3年間、特定賃貸借契約に関する業務の全部又は一部を停止すべきことを命ずることができる。

 

×不適切です

特定転貸事業者が、誇大広告等の禁止、不当な勧誘等の禁止、重要事項説明義務、契約締結時の書面の交付義務、書類の閲覧義務に違反した場合において、必要な措置をとるべきことを指示したにもかかわらず指示に従わないときは、国土交通大臣は、特定転貸事業者に対して、1年以内の期間を限って特定賃貸借契約に関する業務の全部又は一部を停止すべきことを命ずることができます。

つまり、国土交通大臣は、不当な勧誘等の禁止違反の是正のために必要な措置をとるべきことを指示した特定転貸事業者が、その指示に従わないときは、1年以内の期間に限って、特定賃貸借契約に関する業務の全部又は一部を停止すべきことを命ずることができます。よってこの選択肢は不適切です。

 


選択肢 ③

特定賃貸借契約の勧誘者が、特定賃貸借契約の適正化を図るために必要があるとして、国土交通大臣から勧誘行為につき報告を求められたにもかかわらず、その報告を怠ったときは、30万円以下の罰金に処せられる。

 

〇適切です。

国土交通大臣は、特定賃貸借契約の適正化を図るために必要がある場合には、特定転貸事業者や勧誘者に対し、業務に関する報告を求めることができます。

その際に報告をしなかった場合などは30万円以下の罰金に処せられます。

選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。

 


選択肢 ④

特定賃貸借契約の適正化を図るために必要があるときは、当該特定賃貸借契約の直接の利害関係者に限り、国土交通大臣に対し、その旨を申し出て、適当な措置をとることを求めることができる。

 

×不適切です

特定賃貸借契約の適正化のために必要があるときは、何人(なんびと)も国土交通大臣に対して申し出ることができるとされています。

「何人も」とは個人、法人、利害関係等は関係なく「誰でも」という意味で、申出書を提出することにより措置を求めることができます。

つまり、特定賃貸借契約の適正化を図るために必要があるときは、何人も、国土交通大臣に対し、その旨を申し出て、適当な措置をとることを求めることができます。よってこの選択肢は不適切です。

 


 

以上から、正解は選択肢③となります。

 

 

 

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