今日は、令和6年度 第1問について解説します。
「賃貸住宅管理業法」に基づき賃貸住宅管理業者が管理受託契約締結前に行う重要事項の説明(以下、「管理受託契約重要事項説明」という。)に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。
① 賃貸人から委託を受けようとする賃貸住宅管理業者は、業務管理者を2年以上経験した別の賃貸住宅管理業者の従業員に委託して、管理受託契約重要事項説明をさせることはできない。
② 賃貸住宅管理業者は、相手方が独立行政法人都市再生機構である場合でも、管理受託契約重要事項説明をしなければならない。
③ 業務管理者の管理及び監督の下で行う場合であっても、業務管理者ではない従業員が管理受託契約重要事項説明をすることはできない。
④ 賃貸住宅管理業者は、自らの子会社の従業員に、親会社である自社が行う管理受託契約重要事項説明をさせることができる。
解説
管理受託契約重要事項説明に関する問題です。
それではさっそく選択肢を確認しましょう。
選択肢 ①
賃貸人から委託を受けようとする賃貸住宅管理業者は、業務管理者を2年以上経験した別の賃貸住宅管理業者の従業員に委託して、管理受託契約重要事項説明をさせることはできない。
〇適切です。
管理受託契約の重要事項説明は、委託を受けようとする賃貸住宅管理業者の従業員が行う必要があります。
業務管理者としての経験の有無にかかわらず、別の賃貸住宅管理業者の従業員に説明を委託することはできません。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
選択肢 ②
賃貸住宅管理業者は、相手方が独立行政法人都市再生機構である場合でも、管理受託契約重要事項説明をしなければならない。
×不適切です
独立行政法人都市再生機構は、管理業務に関する専門知識および経験を有すると認められるため、相手方が独立行政法人都市再生機構の場合は重要事項説明および書面の交付が不要とされています。
つまり、賃貸住宅管理業者は、相手方が独立行政法人都市再生機構である場合には、管理受託契約重要事項説明を行わなくてもよいとされています。よってこの選択肢は不適切です。
なお、管理業務にかかる専門知識および経験を有するとして、重要事項説明を行わなくてもよいものとされているのは、相手方(貸主)が以下に該当する場合です。
①賃貸住宅管理業者 ②特定転貸事業者 ③宅地建物取引業者 ④特定目的会社 ⑤組合 ⑥賃貸住宅に係る信託の受託者(委託者が①~④のいずれかに該当する場合のみ) ⑦独立行政法人都市再生機構 ⑧地方住宅供給公社
選択肢 ③
業務管理者の管理及び監督の下で行う場合であっても、業務管理者ではない従業員が管理受託契約重要事項説明をすることはできない。
×不適切です
管理受託契約重要事項説明の実施について、まとめシートでは以下の通り解説しています。
重要事項説明と重要事項説明書の交付は、貸主に対して、管理業務の委託を受けようとする賃貸住宅管理業者が行う必要があります。
実際の説明は、業務管理者や一定の実務経験がある者など、専門的な知識や経験がある者によって行うことが望ましいとされていますが、業務管理者の管理・監督の下で行えば必ずしも業務管理者が行う必要はありません。
つまり、業務管理者の管理及び監督の下で行う場合であれば、業務管理者ではない従業員が管理受託契約重要事項説明をすることができます。よってこの選択肢は不適切です。
選択肢 ④
賃貸住宅管理業者は、自らの子会社の従業員に、親会社である自社が行う管理受託契約重要事項説明をさせることができる。
×不適切です
管理受託契約の重要事項説明は、委託を受けようとする賃貸住宅管理業者の従業員が行う必要があります。
子会社であっても、別の会社であることには変わりないですので、親会社の管理受託契約重要事項説明を子会社の従業員が行うようなことは認められていません。
つまり、賃貸住宅管理業者は、自らの子会社の従業員に、親会社である自社が行う管理受託契約重要事項説明をさせることはできません。よってこの選択肢は不適切です。
以上から、正解は選択肢①となります。
管理受託契約重要事項説明に関する問題は、例年複数出題されており、超重要なテーマであるといえます。
ぜひ関連解説もあわせてご確認いただければと思います。
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