今日は、賃貸不動産経営管理士試験 令和2年度 第16問について解説します。(一部改題)

令和2年度賃貸不動産経営管理士試験 第16

宅地建物取引業法に基づき、賃貸取引に係るITを活用した重要事項説明を実施する場合に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。

 

ア  宅地建物取引士及び重要事項の説明を受けようとする者が、図面等の書類及び説明の内容を十分に理解できる程度に映像を視認でき、かつ、双方が発する音声を十分に聞きとり、やり取りができる環境で実施されなければならない。

イ  宅地建物取引士が記名した重要事項説明書及び添付資料が、重要事項の説明を受けようとする者にあらかじめ送付されていなければならない。

ウ  重要事項の説明を受けようとする者が、重要事項説明書及び添付資料を確認しながら説明を受けることができる状況にあること、及び映像音声の状況について、宅地建物取引士が説明開始前に確認しなければならない。

エ  重要事項説明を開始した後、映像を視認できず、又は音声を聞き取ることができない状況が生じた場合には、直ちに説明を中断し、当該状況が解消された後に説明を再開しなければならない。

 

1  1つ

2  2つ

3  3つ

4  4つ

 

 

解説

ITを活用した重要事項説明(宅建業法に基づく)に関する問題です。

 

宅建業法に基づき、賃貸取引に係る重要事項説明にITを活用する場合は、一定の要件を満たす必要があります。(「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」参照)

 

それではさっそく選択肢をみていきましょう。

 


選択肢 ア

宅地建物取引士及び重要事項の説明を受けようとする者が、図面等の書類及び説明の内容を十分に理解できる程度に映像を視認でき、かつ、双方が発する音声を十分に聞きとり、やり取りができる環境で実施されなければならない。

 

〇適切です。

宅建士および重要事項説明を受けようとする者が、図面等の書類及び説明の内容について十分に理解できる程度に映像を視認でき、かつ、双方が発する音声を十分に聞き取ることができるとともに、双方向でやりとりできる環境において実施していることは、ITを活用して重要事項説明を行う際に必要とされている事項です。

お互いちゃんと見えてちゃんと聞き取れる環境を整える必要がありますね。

選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。

 


選択肢 イ

宅地建物取引士が記名した重要事項説明書及び添付資料が、重要事項の説明を受けようとする者にあらかじめ送付されていなければならない。

 

〇適切です。

宅建士の記名がある重要事項説明書及び添付書類を、重要事項の説明を受けようとする者にあらかじめ交付していることは、ITを活用して重要事項説明を行う際に必要とされている事項です。

選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。

なお、重要事項説明書類の交付は、電磁的方法による提供も認められています。

 


選択肢 ウ

重要事項の説明を受けようとする者が、重要事項説明書及び添付資料を確認しながら説明を受けることができる状況にあること、及び映像音声の状況について、宅地建物取引士が説明開始前に確認しなければならない。

 

〇適切です。

重要事項の説明を受けようとする者が、重要事項説明書及び添付書類を確認しながら説明を受けることができる状態にあることや、映像及び音声の状況について、宅建士が重要事項の説明を開始する前に確認することは、ITを活用して重要事項説明を行う際に必要とされている事項です。

選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。

 


選択肢 エ

重要事項説明を開始した後、映像を視認できず、又は音声を聞き取ることができない状況が生じた場合には、直ちに説明を中断し、当該状況が解消された後に説明を再開しなければならない。

 

〇適切です。

宅建士は、ITを活用した重要事項の説明を開始した後、映像を視認できない又は音声を聞き取ることができない状況が生じた場合には、直ちに説明を中断し、当該状況が解消された後に説明を再開することとされています。

選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。

 


 

以上から、正しい選択肢はア、イ、ウ、エの4つ全部ですので、正解は選択肢④となります。

 

===

★ITを活用した重要事項説明について~「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」より~★

宅地建物取引業法に基づき、ITを活用して行う重要事項説明を、対面によるものと同様に取り扱うためには、以下のすべての要件を満たす必要があります。

なお、説明中に映像や音声に問題が生じた場合、説明を直ちに中断し、問題が解消された後に再開するものとします。

☑適切な環境の確保

宅地建物取引士および説明を受ける者が、図面や書類を十分に理解できる程度に映像を視認でき、音声を十分に聞き取れる環境が必要。双方向でやり取りできることが条件。

☑事前交付

宅地建物取引士が記名した重要事項説明書および添付書類を、事前に説明を受ける者へ交付(電磁的方法による提供も含む)していること。

☑事前確認

説明を受ける者が、重要事項説明書および添付書類を確認できる状況であり、映像および音声の状況を宅地建物取引士が説明開始前に確認していること。

☑取引士証の提示

宅地建物取引士が、宅地建物取引士証を提示し、説明を受ける者が画面上でその内容を視認できたことを確認。

★★★

 

これらの要件は、賃貸住宅管理業法に基づく、管理受託契約の重要事項説明にITを活用する場合の取り扱いにとても似ていますので、あわせて押さえておくといいですね。

 

★ITを活用した重要事項説明について~「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律の解釈・運用の考え方」より~★

管理受託契約重要事項説明にテレビ会議などのITを活用する場合、以下の条件を満たすことで対面説明と同等に扱われます。

なお、事前に書類を読み込むことを推奨し、書類送付から一定期間後に説明を実施するのが望ましいとされています。

☑適切な環境の確保

双方が映像を視認でき、音声を十分に聞き取れる双方向通信が可能な環境で実施すること。

☑事前の書類送付

説明を受ける者が承諾しない限り、重要事項説明書や添付書類を事前に送付すること。

☑事前確認と説明状況の確保

説明を受ける者が、書類を確認しながら説明を受けられる環境を整え、説明開始前に映像と音声の状態を確認すること。

===

✨🎄🎁🕯️🌟⛄️🎉💫❄️

2024年度版 一発合格まとめシート
2025年版は準備中です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA