今日は、賃貸不動産経営管理士試験 令和2年度 第3問について解説します。
個人情報の保護に関する法律(以下、本問において「個人情報保護法」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
① 個人情報取扱事業者は、要配慮個人情報を取得する場合、利用目的の特定、通知又は公表に加え、あらかじめ本人の同意を得なければならない。
② 5,000人以下の個人情報しか取り扱わない中小企業・小規模事業者に対しては、個人情報保護法は適用されない。
③ 個人情報取扱事業者は、個人情報を書面で取得する場合、常に利用目的を本人に明示しなければならない。
④ 番号、記号や符号は、その情報だけで特定の個人を識別できる場合であっても、個人情報に該当しない。
解説
個人情報保護法に関する問題です。
それではさっそく選択肢をみていきましょう。
選択肢 ①
個人情報取扱事業者は、要配慮個人情報を取得する場合、利用目的の特定、通知又は公表に加え、あらかじめ本人の同意を得なければならない。
〇適切です。
要配慮個人情報とは、本人に対する不当な差別や偏見などが生じないよう、取扱いに特に配慮を要する情報のことです。
このような要配慮個人情報を取得する際には、通常の個人情報取得の際にも求められる利用目的の特定や通知または公表に加えて、本人の同意を得て取得することが義務づけられています。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
選択肢 ②
5,000 人以下の個人情報しか取り扱わない中小企業・小規模事業者に対しては、個人情報保護法は適用されない。
×不適切です。
個人情報取扱事業者は、個人情報保護法の規制が適用されます。個人情報取扱事業者とは、その取り扱う数にはかかわらず、個人情報データベース等を事業の用に供している者のことを言います。
つまり、5,000 人以下の個人情報しか取り扱わない中小企業・小規模事業者に対しても、個人情報保護法は適用されます。(企業の規模や取り扱う個人情報の数にかかわらず、個人情報データベース等を事業の用に供しているすべての者(個人情報取扱業者)に対して個人情報保護法は適用されます。)よってこの選択肢は不適切です。
ちなみに、改正前の個人情報保護法では、取り扱う個人情報の数が5,000人以下の場合は、個人情報取扱事業者とはされていませんでした。
そのため、過去問でも混同しやすい選択肢が出題されることがあるので注意しましょう。
選択肢 ③
個人情報取扱事業者は、個人情報を書面で取得する場合、常に利用目的を本人に明示しなければならない。
×不適切です。
個人情報取扱事業者は、個人情報を取得した場合は、あらかじめその利用目的を公表している場合を除き、すみやかに利用目的を本人に通知または公表しなければいけません。
一方で、契約書などの書面に記入された個人情報を取得する場合は、あらかじめ本人に対し、その利用目的を明示する必要があります。
ただし、人の生命、身体または財産の保護のために緊急に必要がある場合は、明示をしなくても良いとされています。
つまり、個人情報取扱事業者は、個人情報を書面で取得する場合、原則としてあらかじめ利用目的を本人に明示しなければなりませんが、緊急に必要がある場合はその限りではありません。よってこの選択肢は不適切です。
選択肢 ④
番号、記号や符号は、その情報だけで特定の個人を識別できる場合であっても、個人情報に該当しない。
×不適切です。
個人情報とは、生存する個人に関する情報で、住所や名前、顔写真など特定の個人を識別できる情報や、個人識別符号が含まれるものを指します。
つまり、番号、記号や符号は、その情報だけで特定の個人を識別できる場合であれば、個人情報に該当します。よってこの選択肢は不適切です。
以上から、正解は選択肢①となります。
ぜひ関連解説もあわせて理解を深めていただければと思います。
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