今日は、令和3年度 第23問について解説します。
賃貸住宅標準契約書(国土交通省住宅局平成30年3月公表)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
① 賃貸住宅標準契約書では、建物賃貸借の目的を「住居」と「事務所」に限定している。
② 賃貸住宅標準契約書では、更新料の支払に関する定めはない。
③ 賃貸住宅標準契約書では、賃料は、建物の使用対価のみを指し、敷地の使用対価は含まないものとされている。
④ 賃貸住宅標準契約書では、共用部分にかかる水道光熱費等の維持管理費用は、貸主が負担するものとされている。
解説
賃貸住宅標準契約書に関する問題です。
賃貸住宅標準契約書は、国土交通省が作成した賃貸借契約のひな形のことです。使用については、義務付けられているものではなく、必要に応じて内容の加除、修正を行い活用するべきとされています。
それではさっそく選択肢をみていきましょう。
選択肢 ①
賃貸住宅標準契約書では、建物賃貸借の目的を「住居」と「事務所」に限定している。
×不適切です。
賃貸住宅標準契約書は、「住居」のみを目的として賃貸物件を使用しなければならないとされています。
なお、特約を付ければ住居兼事務所や民泊など、営業目的の併用使用をすることも可能です。
つまり、賃貸住宅標準契約書では、建物賃貸借の目的を「住居」に限定しています。よってこの選択肢は不適切です。
選択肢 ②
賃貸住宅標準契約書では、更新料の支払に関する定めはない。
〇適切です。
賃貸住宅標準契約書では、更新料の支払いについては特に規定がありません。
更新料は、地方や契約内容によって異なるため、標準的な契約書には規定を設けていないようです。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
選択肢 ③
賃貸住宅標準契約書では、賃料は、建物の使用対価のみを指し、敷地の使用対価は含まないものとされている。
×不適切です。
一般的に、賃料には建物の使用料の他に、建物の使用に必要なその敷地の使用料も含まれているとされているため、賃貸住宅標準契約書においての賃料も、同様の性格を有しています。
つまり、賃貸住宅標準契約書では、賃料は、建物の使用対価のみならず、敷地の使用対価は含まれるものとされています。よってこの選択肢は不適切です。
ちなみに、賃貸不動産経営管理士試験では一般的な賃料に敷地の使用対価も含まれているという考え方に基づいた選択肢が出ることがしばしばありますので、おさえておくと良さそうですね。
選択肢 ④
賃貸住宅標準契約書では、共用部分にかかる水道光熱費等の維持管理費用は、貸主が負担するものとされている。
×不適切です。
賃貸住宅標準契約書では、共用部分(階段、廊下等)の維持管理に必要な光熱費、上下水道使用料、清掃費等について、借主が共益費として支払うものとされています。
つまり、賃貸住宅標準契約書では、共用部分にかかる水道光熱費等の維持管理費用は、共益費として借主が貸主に支払うものとされています。よってこの選択肢は不適切です。
以上から、正解は選択肢②となります。
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