今日は、令和4年度 第14問について解説します。
建築基準法に規定する内装・構造に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
① 建築基準法では、内装材料など、内装制限に関する規定があるが、入居者の入替え時に行う原状回復のための内部造作工事は対象とならない。
② 建築基準法のシックハウス対策の規定は、新築だけでなく、中古住宅においても増改築、大規模な修繕や模様替えを行う場合に適用となる。
③ 防火区画となる壁・床は、耐火構造としなければならず、区画を構成する部分に開口部を設ける場合には、防火扉や防火シャッターなどの防火設備としなければならない。
④ 共同住宅では、隣接する住戸から日常生活に伴い生ずる音を衛生上支障がないように低減するため、小屋裏又は天井裏まで達する構造とした界壁を設けなければならない
解説
建築基準法等による規定に関する問題です。
それではさっそく選択肢をみていきましょう。
選択肢 ①
建築基準法では、内装材料など、内装制限に関する規定があるが、入居者の入替え時に行う原状回復のための内部造作工事は対象とならない。
×不適切です。
内装制限とは、火災時に爆発的な燃焼が起こるまでの時間をできるだけ遅らせるために、壁と天井の仕上を不燃材料などの燃えにくい材料にするという防火上の規定です。
内装制限の規定が適応されるのは、新築のときだけではありません。原状回復に伴う内部造作工事であっても、内装制限の規定が適応されます。
つまり、建築基準法では、内装材料など、内装制限に関する規定があるが、入居者の入替え時に行う原状回復のための内部造作工事についても対象となります。よってこの選択肢は不適切です
選択肢 ②
建築基準法のシックハウス対策の規定は、新築だけでなく、中古住宅においても増改築、大規模な修繕や模様替えを行う場合に適用となる。
〇適切です。
建物や家具から放出される化学物質などによって生じる、吐き気や頭痛などの健康障害をシックハウス症候群といいます。
建築基準法では、シックハウス対策として、原因となるクロルピリホスおよびホルムアルデヒドを含む建築材料の使用が制限に関する規定があります。
シックハウス対策の規定が適用されるのは、新築のときだけではありません。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
選択肢 ③
防火区画となる壁・床は、耐火構造としなければならず、区画を構成する部分に開口部を設ける場合には、防火扉や防火シャッターなどの防火設備としなければならない。
〇適切です。
火災が発生した際に建物に炎や煙が拡大するのを防ぐために、建築物の部分を耐火構造や準耐火構造の床、壁、防火設備で他の部分と区画することを防火区画といいます。
防火区画に開口部がある場合には、防火扉や防火シャッターなどの防火設備としなければなりません。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
選択肢 ④
共同住宅では、隣接する住戸から日常生活に伴い生ずる音を衛生上支障がないように低減するため、小屋裏又は天井裏まで達する構造とした界壁を設けなければならない。
〇適切です。
界壁とは、共同住宅等で各住戸を区切る壁のことです。
界壁には、隣接住戸からの音を軽減する役割や延焼を防ぐ役割があり、原則として小屋裏または天井裏まで達する隙間のない構造としなければなりません。
選択肢の説明通りですので、の選択肢は適切です。
以上から、正解は選択肢①になります。
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