今日は、令和5年度 第22問について解説します。

令和5年度賃貸不動産経営管理士試験 第22

3人が共有している賃貸住宅について、全員の合意は必要ないが、共有者の持分の価格に従い、その過半数で決することを要するものの組合せとして、正しいものはどれか。

 

ア 賃貸住宅の窓ガラスが台風により破損した場合の、窓ガラスの交換

 

イ 賃貸住宅につき、契約期間を3年とする定期建物賃貸借契約の締結

 

ウ 賃貸住宅につき、契約期間を5年とする定期建物賃貸借契約の締結

 

エ 賃貸住宅の賃貸借契約に関し、賃借人の債務不履行を理由とする契約の解除

 

1  ア、イ

2  ア、ウ

3  イ、エ

4  ウ、エ

 

 

解説

共有物の賃貸借に関する問題です。

 

共有物の賃貸借について、まとめシートでは以下の通り解説しています。

賃貸住宅を共有している場合、共有者たちは持ち分に応じた権利を有していることになります。

 

共有物に関する行為は、以下の3つがあります。

①変更・処分行為:共有物の物理的な変更や法律上の処分行為で、売却などが該当します。共有者全員の同意が必要です。

②管理行為:共有物を適切に維持し、運用していくための行為で、短期間の賃貸などが該当します。共有者の持分の過半数で決定できます。

③保存行為:共有物の現状を維持するための行為で、共有物の価値を維持するために必要な最低限の措置という位置づけです。破損部分の修理などが該当します。各共有者が単独で行うことができます。

 

これらをふまえて、それぞれの選択肢が、どのような行為にあたるのか、みていきましょう。


選択肢 ア

賃貸住宅の窓ガラスが台風により破損した場合の、窓ガラスの交換

 

×保存行為です。(単独で行うことができます)

破損した窓ガラスの交換は、現状を維持するための行為であり、保存行為にあたります。よって各共有者が単独で行うことができます。


 

選択肢 イ

賃貸住宅につき、契約期間を3年とする定期建物賃貸借契約の締結

 

〇管理行為です。(過半数で決定します)

期間が3年を超えない建物の賃貸は、管理行為に該当します。

よって、契約期間を3年とする定期建物賃貸借契約の締結は、共有者の持分の過半数で決定できます。


 

選択肢 ウ

賃貸住宅につき、契約期間を5年とする定期建物賃貸借契約の締結

 

×変更・処分行為です。(共有者全員の同意が必要です

期間が3年を超える建物の賃貸は、変更・処分行為に該当します。

よって、契約期間を5年とする定期建物賃貸借契約の締結は、共有者全員の同意が必要です。


 

選択肢 エ

賃貸住宅の賃貸借契約に関し、賃借人の債務不履行を理由とする契約の解除

 

〇管理行為です。(過半数で決定します)

賃貸借契約の解除は、管理行為に該当します。

よって、賃貸住宅の賃貸借契約に関し、賃借人の債務不履行を理由とする契約の解除は、共有者の持分の過半数で決定できます。


 

以上から、過半数で決することを要するものの組合せはイとエですので、正解は選択肢③となります。

 

 

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