今日は、令和5年度 第6問について解説します。
法令に基づき行う設備の検査等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
① 浄化槽の法定点検には、定期検査と設置後等の水質検査があるが、その検査結果は、どちらも都道府県知事に報告しなければならないこととされている。
② 自家用電気工作物の設置者は、保安規程を定め、使用の開始の前に経済産業大臣に届け出なければならない。
③ 簡易専用水道の設置者は、毎年1回以上、地方公共団体の機関又は厚生労働大臣の指定する機関に依頼して検査し、その検査結果を厚生労働大臣に報告しなければならない。
④ 消防用設備等の点検には機器点検と総合点検があるが、その検査結果はどちらも所轄の消防署長等に報告しなければならない。
解説
設備の検査に関する問題です。
それではさっそく選択肢を確認しましょう。
選択肢 ①
浄化槽の法定点検には、定期検査と設置後等の水質検査があるが、その検査結果は、どちらも都道府県知事に報告しなければならないこととされている。
〇適切です。
浄化槽と管理者の義務について、まとめシートでは以下の通り解説しています。
浄化槽の管理者は、使用開始後3か月を経過した日から5か月の間に行う水質検査と、年に1回定期検査を行う義務があります。また、定期的な浄化槽の保守点検、清掃も行う必要があります。なお、検査結果の報告先は都道府県知事です。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
ちなみに、浄化槽の管理者というのは、浄化槽の所有者や占有者などですが、一般的な賃貸住宅であればオーナーが該当します。浄化槽管理者が行うべき保守点検や清掃については、専門業者に委託することができます。
選択肢 ②
自家用電気工作物の設置者は、保安規程を定め、使用の開始の前に経済産業大臣に届け出なければならない。
〇適切です。
共同住宅では、共同引込線により電気を引き込んで各住戸に供給します。
電気を引き込んで供給するにあたっては、適切な電気設備の設置や維持管理が必要になります。電力会社から600ボルトを超える電圧で受電する電気設備や、一定出力以上の発電設備は自家用電気工作物に該当します。
自家用電気工作物の設置について、まとめシートでは以下の通り解説しています。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
選択肢 ③
簡易専用水道の設置者は、毎年1回以上、地方公共団体の機関又は厚生労働大臣の指定する機関に依頼して検査し、その検査結果を厚生労働大臣に報告しなければならない。
×不適切です。
簡易専用水道の設置者は、国土交通省令が定める管理基準に従って給水設備を衛生的に管理し、その管理状況について、1年に1回国土交通大臣および環境大臣の登録を受けた検査機関による検査を受けなければならないとされています。なお、検査結果は速やかに保健所に報告しなければなりません。
つまり、簡易専用水道の設置者は、毎年1回以上、地方公共団体の機関又は国土交通大臣および環境大臣の登録を受けた機関に依頼して検査し、その検査結果を保健所に報告しなければなりません。よってこの選択肢は不適切です。
なお、法令改正により、水道行政が厚生労働省から国土交通省および環境省へ移管されています。(令和6年4月1日)
この問題が出題された時点では、検査機関は「厚生労働大臣の指定する機関」という部分は誤っていませんでしたが、現行の法令にあわせた解説にしています。
選択肢 ④
消防用設備等の点検には機器点検と総合点検があるが、その検査結果はどちらも所轄の消防署長等に報告しなければならない。
〇適切です。
消防用設備等の点検には、機器の外観や機能、作動状況を確認する機器点検(6か月に1回)と、設備全体の作動状況を確認する点検(1年に1回)があります。どちらも、所轄の消防長または消防署長宛に届け出なければならないとされています。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
以上から、正解は選択肢③となります。
資格試験では、法改正がなされた事項についての問題が出題されることがしばしばあります。
令和6年度に水道行政が変わったことについて、ぜひこの機会に押さえていただければと思います。
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