今日は、令和5年度 第27問について解説します。
賃貸住宅管理業者及び業務管理者に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。
ア A営業所の業務管理者は、B営業所の業務管理者がやむを得ない事情で業務を遂行することができなくなった場合には、B営業所の業務管理者を兼務することができる。
イ 賃貸住宅管理業者は、管理受託契約の締結、維持保全の手配、又は金銭の管理の業務が行われ、継続的に賃貸住宅管理業の営業の拠点となる実態を有する施設には、本店、支店、営業所等の名称を問わず、業務管理者を選任する必要がある。
ウ 業務管理者は、宅地建物取引士としての業務を兼務することはできるが、賃貸住宅管理業者の従業員が行う管理業務について必要な指導、管理及び監督の業務に従事できる必要がある。
エ 賃貸住宅管理業者は、業務上知り得た秘密を守る義務があるが、管理業務の一部の再委託を受ける者など、賃貸住宅管理業者と直接の雇用関係にない者にも同様の義務が課せられる。
1 1つ
2 2つ
3 3つ
4 4つ
解説
管理業者と業務管理者に関する問題です。
それではさっそく選択肢をみていきましょう。
選択肢 ア
A営業所の業務管理者は、B営業所の業務管理者がやむを得ない事情で業務を遂行することができなくなった場合には、B営業所の業務管理者を兼務することができる。
×不適切です。
業務管理者の選任について、まとめシートでは以下の通り解説しています。
賃貸住宅管理業者は、営業所または事務所ごとに1人以上の業務管理者を選任しなければなりません。
業務管理者は他の営業所等との兼務は禁止されています。選任したすべての業務管理者がかけたときは、あらたに業務管理者を選任するまでは管理受託契約を締結することができません。
つまり、A営業所の業務管理者は、B営業所の業務管理者がやむを得ない事情で業務を遂行することができなくなった場合には、B営業所の業務管理者を兼務することができず、新たな業務管理者を選任するまでは、管理受託契約を締結することができません。よってこの選択肢は不適切です。
選択肢 イ
賃貸住宅管理業者は、管理受託契約の締結、維持保全の手配、又は金銭の管理の業務が行われ、継続的に賃貸住宅管理業の営業の拠点となる実態を有する施設には、本店、支店、営業所等の名称を問わず、業務管理者を選任する必要がある。
〇適切です。
「管理受託契約の締結、維持保全の手配、又は金銭の管理の業務が行われ、継続的に賃貸住宅管理業の営業の拠点となる実態を有する施設」というのは、賃貸住宅管理業法上の「営業所または事務所」のことです。
本店、支店、営業所等の名称は関係なく、営業所または事務所としての実態がある施設であれば、その施設ごとに1人以上の業務管理者を選任しなければなりません。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
選択肢 ウ
業務管理者は、宅地建物取引士としての業務を兼務することはできるが、賃貸住宅管理業者の従業員が行う管理業務について必要な指導、管理及び監督の業務に従事できる必要がある。
〇適切です。
他の営業所等と業務管理者を兼務することはできませんが、他の業務と兼務することは差し支えないとされています。
ただし、入居者の居住の安定の確保等の観点から、管理業務の質を担保するために必要な指導、管理、監督に従事できる必要があるとされています。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
選択肢 エ
賃貸住宅管理業者は、業務上知り得た秘密を守る義務があるが、管理業務の一部の再委託を受ける者など、賃貸住宅管理業者と直接の雇用関係にない者にも同様の義務が課せられる。
〇適切です。
秘密を守る義務について、まとめシートでは以下の通り解説しています。
賃貸住宅管理業者は、正当な理由がある場合でなければ、業務上知り得た秘密を漏らしてはいけません。
賃貸住宅管理業者と直接の雇用関係がある従業員に加えて、再委託先の従業員等も、賃貸住宅管理業者の従業者として、秘密を守る義務を負います。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
以上から、正しい選択肢はイ、ウ、エの3つですので、正解は選択肢③となります。
業務管理者の選任などの、賃貸住宅管理業法上の業務の規律については12項目あり、例年テーマを変えて出題されています。
ぜひ関連解説もあわせてご確認いただければと思います。
★関連解説★
まとめシートは、賃貸不動産経営管理士試験に出る内容を、記憶に残るイラストでやさしく解説しています。
ここから立ち読みできますので、ぜひ試してみてくださいね。
2024年度版 一発合格まとめシート
好評発売中!