今日は、令和3年度 第43問について解説します。
賃貸不動産経営管理士の業務に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか
① 賃貸不動産経営管理士は業務管理者として、管理受託契約重要事項説明書の交付、維持保全の実施、家賃、敷金、共益費その他の金銭の管理、帳簿の備付け、貸主に対する定期報告、入居者からの苦情の処理に関する事項等を自ら実施する役割を担っている。
② 賃貸不動産経営管理士は、業務管理者としての事務を適切に実施することに加え、賃貸借関係の適正化を図るために賃貸住宅管理業者が行う業務につき、管理・監督する役割や自ら実施する役割を担う。
③ 賃貸不動産経営管理士は、宅地建物取引業者が媒介や代理をしないサブリース方式の転貸借契約において、宅地建物取引業法に準じ、転借人に対して契約締結前の重要事項説明や契約成立時の書面の交付を行うことが期待される。
④ 賃貸不動産経営管理士は、不動産をめぐる新たな政策課題や賃貸不動産の活用方式の普及に積極的に協力して取り組み、不動産政策の推進とそれに伴う国民生活の安定向上に貢献することが求められる。
解説
賃貸不動産経営管理士の業務に関する問題です。
それではさっそく選択肢をみていきましょう。
選択肢 ①
賃貸不動産経営管理士は業務管理者として、管理受託契約重要事項説明書の交付、維持保全の実施、家賃、敷金、共益費その他の金銭の管理、帳簿の備付け、貸主に対する定期報告、入居者からの苦情の処理に関する事項等を自ら実施する役割を担っている。
×不適切です。
業務管理者の業務について、まとめシートでは以下の通り解説しています。
つまり、賃貸不動産経営管理士は業務管理者として、管理受託契約重要事項説明書の交付、維持保全の実施、家賃、敷金、共益費その他の金銭の管理、帳簿の備付け、貸主に対する定期報告、入居者からの苦情の処理に関する事項等を管理および監督する役割を担っています。自ら実施するとはされていません。
よってこの選択肢は不適切です。
選択肢 ②
賃貸不動産経営管理士は、業務管理者としての事務を適切に実施することに加え、賃貸借関係の適正化を図るために賃貸住宅管理業者が行う業務につき、管理・監督する役割や自ら実施する役割を担う。
〇適切です。
賃貸不動産経営管理士の業務について、まとめシートでは以下の通り解説しています。
賃貸不動産経営管理士は、賃貸住宅管理業法上の業務やそれに関連した業務を行うという役割を担っています。
具体的には、賃貸住宅管理業法上の業務管理者として行うべき事務や、それ以外でも管理業者として行うべき業務も実施します。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
選択肢 ③
賃貸不動産経営管理士は、宅地建物取引業者が媒介や代理をしないサブリース方式の転貸借契約において、宅地建物取引業法に準じ、転借人に対して契約締結前の重要事項説明や契約成立時の書面の交付を行うことが期待される。
〇適切です。
宅建業者が媒介をしない、サブリース方式の転貸借契約については、重要事項説明や書面交付の法律上の義務はありません。
しかし、転借人保護のためにも、重要事項説明や書面交付をすることが望ましいですので、専門家の立場として賃貸不動産経営管理士がこれらの役割を担うことが期待されています。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
選択肢 ④
賃貸不動産経営管理士は、不動産をめぐる新たな政策課題や賃貸不動産の活用方式の普及に積極的に協力して取り組み、不動産政策の推進とそれに伴う国民生活の安定向上に貢献することが求められる。
〇適切です。
新たな政策課題や賃貸不動産の活用方式の普及といった、一般的な管理業務よりも広範な業務(発展業務)に積極的に取り組むことが求められています。
なお発展業務の具体的な内容について、まとめシートでは以下の通り解説しています。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
以上から、正解は選択肢①となります。
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