今日は、令和5年度 第13問について解説します。
建築基準法等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
① 建築基準法では、内装制限として、火災の発生による建物内部の延焼を防ぐため、その用途規模に応じて内装材料などにさまざまな制限を加えている。
② 賃貸住宅管理業者による日常的な維持管理においては、防火区画のための防火設備の機能を阻害しないような維持管理を行う必要がある。
③ 防火区画には、面積区画、高層区画、竪穴区画、異種用途区画がある。
④ 主要構造部には、間柱、小ばり、屋外階段、ひさしも含まれる。
解説
建築基準法等による規定に関する問題です。
それではさっそく選択肢をみていきましょう。
選択肢①
建築基準法では、内装制限として、火災の発生による建物内部の延焼を防ぐため、その用途規模に応じて内装材料などにさまざまな制限を加えている。
〇適切です。
内装制限とは、火災時に爆発的な燃焼が起こるまでの時間をできるだけ遅らせるために、壁と天井の仕上を不燃材料などの燃えにくい材料にするという防火上の規定です。内装制限を受ける建築物は、その用途や規模に応じて、仕上材料の種類が定められています。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
選択肢②
賃貸住宅管理業者による日常的な維持管理においては、防火区画のための防火設備の機能を阻害しないような維持管理を行う必要がある。
〇適切です。
火災が発生した際に建物に炎や煙が拡大するのを防ぐために、建築物の部分を耐火構造や準耐火構造の床、壁、防火設備で他の部分と区画することを防火区画といいます。
防火区画に開口部がある場合には、防火扉や防火シャッターなどの防火設備としなければなりません。なお、防火設備が火災発生時に正常に作動するためには、管理業者は適切な維持管理を行う必要があります。
具体的には、火災発生時に自動的に閉鎖できるように、防火設備の周りにものを置かないように管理したり、入居者にも機能を説明しておくなどが考えられますね。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
選択肢③
防火区画には、面積区画、高層区画、竪穴区画、異種用途区画がある。
〇適切です。
防火区画には、次の種類の区画があります。
①面積区画:一定の床面積ごとに区画する
②高層区画:11階以上の部分を一定の床面積ごとに区画する
③竪穴区画:階段、エレベーター、吹き抜けなどの部分を他の部分と区画する
④異種用途区画:用途の異なる部分を区画する
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
選択肢④
主要構造部には、間柱、小ばり、屋外階段、ひさしも含まれる。
×不適切です。
主要構造部とは、建築物の壁、柱、床、梁(はり)、屋根、階段のことをいいます。ただし、構造上重要ではないとされる、間仕切壁、間柱、最下階の床、小ばり、ひさし、屋外階段などは主要構造部から除外されます。
つまり、主要構造部には、間柱、小ばり、屋外階段、ひさしは含まれません。よってこの選択肢は不適切です。
以上から、正解は選択肢④となります。
建築基準法法上の規定については、初学の方は少し難しく感じてしまうかもしれません。
しかしながら、テキストの内容を理解して、過去問演習をしておくなど、基礎的な知識をつけておけば、試験対策としてはOKですので、焦る必要はありませんよ。
ぜひこの機会に理解を深めていただければと思います。
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