今日は、令和4年度 第8問について解説します。
管理業法に規定する秘密を守る義務に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
ア 秘密を守る義務は、管理受託契約が終了した後は賃貸住宅管理業を廃業するまで存続する。
イ 賃貸住宅管理業者の従業者として秘密を守る義務を負う者には、アルバイトも含まれる。
ウ 賃貸住宅管理業者の従業者として秘密を守る義務を負う者には、再委託を受けた者も含まれる。
エ 株式会社たる賃貸住宅管理業者の従業者が会社の命令により秘密を漏らしたときは、会社のみが 30万円以下の罰金に処せられる。
1 ア、イ
2 イ、ウ
3 ウ、エ
4 ア、エ
解説
賃貸住宅管理業者が守るべき業務の規律のうち、秘密を守る義務に関する問題です。
秘密を守る義務について、まとめシートでは以下の通り解説しています。
賃貸住宅管理業者は、正当な理由がある場合でなければ、業務上知り得た秘密を漏らしてはいけません。
それでは選択肢をみていきましょう。
選択肢 ア
秘密を守る義務は、管理受託契約が終了した後は賃貸住宅管理業を廃業するまで存続する。
×不適切です。
もう一度、まとめシートの解説を確認してみましょう。
秘密を守る義務は、管理受託契約が終了した場合でも、賃貸住宅管理業者を営まなくなった場合でも続くものです。
つまり、秘密を守る義務は、管理受託契約が終了した後、賃貸住宅管理業を廃業した後であっても存続します。よってこの選択肢は不適切です。
選択肢 イ
賃貸住宅管理業者の従業者として秘密を守る義務を負う者には、アルバイトも含まれる。
〇適切です。
賃貸住宅管理業者の指揮命令によってその業務に従事する人が「従業者」とされていて、アルバイト、正社員などの雇用形態は関係なく、従業者は秘密を守る義務を負います。よってこの選択肢は適切です。
選択肢 ウ
賃貸住宅管理業者の従業者として秘密を守る義務を負う者には、再委託を受けた者も含まれる。
〇適切です。
もう一度、まとめシートの解説を確認してみましょう。
賃貸住宅管理業者と直接の雇用関係がある従業員に加えて、再委託先の従業員等も、賃貸住宅管理業者の従業者として、秘密を守る義務を負います。
よってこの選択肢は適切です。
選択肢 エ
株式会社たる賃貸住宅管理業者の従業者が会社の命令により秘密を漏らしたときは、会社のみが 30万円以下の罰金に処せられる。
×不適切です。
もう一度、まとめシートの解説を確認してみましょう。
原則として、法人の従業者が違反行為をした場合は、違反行為をした人と、法人に対しても同じ罰則が科されます。ただし、秘密を守る義務は例外で、違反行為をした人のみが30万円以下の罰金刑が課せられます(賃貸住宅管理業法第44条7項、第45条)。
じゃあ、従業者だけが罰せられるのでは?と考えてしまいますが、この場合は「会社の命令で」秘密を漏らしています。会社ぐるみの悪事ということですね!
つまり、株式会社たる賃貸住宅管理業者の従業者が会社の命令により秘密を漏らしたときは、会社と従業者の両方が 30万円以下の罰金に処せられます。よってこの選択肢は不適切です。
以上から、誤っている選択肢はイとウですので、正解は選択肢②となります。
秘密を守る義務などの、賃貸住宅管理業法上の業務の規律については12項目あり、例年テーマを変えて出題されています。
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