今日は、宅地建物取引士試験 令和3年度(12月) 第32問について解説します。
令和2年度と3年度は、新型コロナウイルスの感染拡大防止措置として、受験者分散の目的で10月と12月の2回試験が実施されました。
★出題テーマ【宅建業法-業務上の規制】★
宅地建物取引業法第35条の2に規定する供託所等に関する説明についての次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、特に断りのない限り、宅地建物取引業者の相手方は宅地建物取引業者ではないものとする。
① 宅地建物取引業者は、宅地建物取引業者の相手方に対して供託所等の説明を行う際に書面を交付することは要求されていないが、重要事項説明書に記載して説明することが望ましい。
② 宅地建物取引業者は、宅地建物取引業者が取引の相手方の場合においても、供託所等に係る説明をしなければならない。
③ 宅地建物取引業者は、売買、交換又は貸借の契約に際し、契約成立後、速やかに供託所等に係る説明をしなければならない。
④ 宅地建物取引業者は、自らが宅地建物取引業保証協会の社員である場合、営業保証金を供託した主たる事務所の最寄りの供託所及び所在地の説明をしなければならない。
解説
宅建業者の業務上の規制(供託所の説明等)に関する問題です。
それではさっそく選択肢をみていきましょう。
選択肢 ①
宅地建物取引業者は、宅地建物取引業者の相手方に対して供託所等の説明を行う際に書面を交付することは要求されていないが、重要事項説明書に記載して説明することが望ましい。
〇適切です。
宅建業者は、契約成立するまでの間に、取引の相手方に対して供託所等の説明を行う義務があります。
この説明に関して、宅建業法上は、書面の交付までは義務付けられていませんが、重要事項説明書に記載して説明することが望ましいとされています。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
選択肢 ②
宅地建物取引業者は、宅地建物取引業者が取引の相手方の場合においても、供託所等に係る説明をしなければならない。
×不適切です。
宅地建物取引業者が取引の相手方の場合には、供託所等の説明義務はありません。
つまり、宅地建物取引業者は、宅地建物取引業者が取引の相手方の場合には、供託所等に係る説明をする義務はありません。よってこの選択肢は不適切です。
なお、取引によって債権が生じた場合に、営業保証金や弁済業務保証金から還付を受けることができる者の中には宅建業者が除かれています。このこともあわせて押さえておくと良いでしょう。
選択肢 ③
宅地建物取引業者は、売買、交換又は貸借の契約に際し、契約成立後、速やかに供託所等に係る説明をしなければならない。
×不適切です。
供託所等の説明は、契約成立「後」ではなく、契約が成立するまでの間に行わなければなりません。
つまり、宅地建物取引業者は、売買、交換又は貸借の契約に際し、契約成立するまでの間に供託所等に係る説明をしなければなりません。よってこの選択肢は不適切です。
選択肢 ④
宅地建物取引業者は、自らが宅地建物取引業保証協会の社員である場合、営業保証金を供託した主たる事務所の最寄りの供託所及び所在地の説明をしなければならない。
×不適切です。
宅建業者が保証協会の社員である場合、説明が必要な事項は、保証協会の社員である旨、保証協会の名称・住所・事務所所在地、指定供託所とその所在地となっています。
また、宅建業者が保証協会の社員ではない場合には、宅建業者自身で本店最寄りの供託所に営業保証金を供託していますので、営業保証金を供託した供託所とその所在地について説明しなければなりません。
つまり、宅地建物取引業者は、自らが宅地建物取引業保証協会の社員ではない場合、営業保証金を供託した主たる事務所の最寄りの供託所及び所在地の説明をしなければなりません。よってこの選択肢は不適切です。
以上から、正解は選択肢①となります。
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