今日は、令和6年度 第35問について解説します。

令和6年度賃貸不動産経営管理士試験 第35

特定転貸事業者が、特定賃貸借契約を締結しようとする際に行う相手方への説明(以下、各問において「特定賃貸借契約重要事項説明」という。)に関する次の記述のうち、不適切なものはどれか。

 

①  特定転貸事業者は、特定賃貸借契約重要事項説明にあたって、説明の相手方の賃貸住宅経営の目的・意向を十分に確認すべきである。


②  特定転貸事業者は、特定賃貸借契約重要事項説明の相手方が高齢である場合は、過去に賃貸住宅経営の経験が十分にあったとしても、説明の相手方の状況を踏まえた慎重な説明を行うべきである。


③  特定転貸事業者は、ITを活用した方法で特定賃貸借契約重要事項説明を実施する場合、説明の相手方が図面等の書類及び説明を十分に理解できる映像を視認できるか、又は、双方が発する音声を十分に聞き取ることができる環境で実施しなければならない。


④  特定転貸事業者は、ITを活用した方法で特定賃貸借契約重要事項説明を実施する場合、説明の相手方が承諾した場合を除き、重要事項説明書をあらかじめ送付しておく必要がある。

 

 

解説

特定賃貸借契約重要事項説明に関する問題です。

 

それではさっそく選択肢を確認しましょう。

 


選択肢 ①

特定転貸事業者は、特定賃貸借契約重要事項説明にあたって、説明の相手方の賃貸住宅経営の目的・意向を十分に確認すべきである。

 

〇適切です。

特定賃貸借契約重要事項説明を行うにあたっては、説明の相手方の知識、経験、財産の状況、賃貸住宅経営の目的やリスク管理判断能力などを考慮し、適切な説明を行うことが求められます。

そのため、説明の相手方の属性や、これまでの賃貸住宅経営の実態を踏まえ、以下の点に留意して説明を行う必要があります。

(出典:国土交通省 サブリース事業に係る適正な業務のためのガイドライン より)

① 説明の相手方の賃貸住宅経営の目的・意向を十分確認すること。
② 説明の相手方の属性や賃貸住宅経営の目的等に照らして、マスターリース契約のリスクを十分に説明すること。
③ 説明の相手方が高齢の場合は、過去に賃貸住宅経営の経験が十分にあったとしても、身体的な衰えに加え、短期的に判断能力が変化する場合もあることから、説明の相手方の状況を踏まえて、慎重な説明を行うこと。

選択肢の説明の通り、特定賃貸借契約重要事項説明にあたって、説明の相手方の賃貸住宅経営の目的・意向を十分に確認すべきですので、この選択肢は適切です。

 


選択肢 ②

特定転貸事業者は、特定賃貸借契約重要事項説明の相手方が高齢である場合は、過去に賃貸住宅経営の経験が十分にあったとしても、説明の相手方の状況を踏まえた慎重な説明を行うべきである。

 

〇適切です。

もう一度、重要事項説明を行ううえでの留意点を確認しましょう。

① 説明の相手方の賃貸住宅経営の目的・意向を十分確認すること。
② 説明の相手方の属性や賃貸住宅経営の目的等に照らして、マスターリース契約のリスクを十分に説明すること。
③ 説明の相手方が高齢の場合は、過去に賃貸住宅経営の経験が十分にあったとしても、身体的な衰えに加え、短期的に判断能力が変化する場合もあることから、説明の相手方の状況を踏まえて、慎重な説明を行うこと。

選択肢の説明の通り、特定賃貸借契約重要事項説明の相手方が高齢である場合は、過去に賃貸住宅経営の経験が十分にあったとしても、説明の相手方の状況を踏まえた慎重な説明を行うべきですので、この選択肢は適切です。

 


選択肢 ③

特定転貸事業者は、ITを活用した方法で特定賃貸借契約重要事項説明を実施する場合、説明の相手方が図面等の書類及び説明を十分に理解できる映像を視認できるか、又は、双方が発する音声を十分に聞き取ることができる環境で実施しなければならない。

 

×不適切です

特定賃貸借契約重要事項説明にテレビ会議システム等のITを活用する場合、以下のすべての要件を満たしている場合に限り、対面による説明と同様に取り扱われます。

・説明者及び重要事項の説明を受けようとする者が、図面等の書類及び説明の内容について十分に理解できる程度に映像が視認でき、かつ、双方が発する音声を十分に聞き取ることができるとともに、双方向でやりとりできる環境において実施していること

・重要事項説明を受けようとする者が承諾した場合を除き、重要事項説明書及び添付書類をあらかじめ送付していること

・重要事項の説明を受けようとする者が、重要事項説明書及び添付書類を確認しながら説明を受けることができる状態にあること並びに映像及び音声の状況について、特定転貸事業者が重要事項の説明を開始する前に確認していること

 

つまり、特定転貸事業者は、ITを活用した方法で特定賃貸借契約重要事項説明を実施する場合、説明の相手方が図面等の書類及び説明を十分に理解できる映像を視認でき、かつ、双方が発する音声を十分に聞き取ることができる環境で実施しなければなりません。よってこの選択肢は不適切です。

 


選択肢 ④

特定転貸事業者は、ITを活用した方法で特定賃貸借契約重要事項説明を実施する場合、説明の相手方が承諾した場合を除き、重要事項説明書をあらかじめ送付しておく必要がある。

 

〇適切です。

もう一度、重要事項説明にITを活用する場合の要件を確認しましょう。

・説明者及び重要事項の説明を受けようとする者が、図面等の書類及び説明の内容について十分に理解できる程度に映像が視認でき、かつ、双方が発する音声を十分に聞き取ることができるとともに、双方向でやりとりできる環境において実施していること

・重要事項説明を受けようとする者が承諾した場合を除き、重要事項説明書及び添付書類をあらかじめ送付していること

・重要事項の説明を受けようとする者が、重要事項説明書及び添付書類を確認しながら説明を受けることができる状態にあること並びに映像及び音声の状況について、特定転貸事業者が重要事項の説明を開始する前に確認していること

 

選択肢の説明の通り、ITを活用した方法で特定賃貸借契約重要事項説明を実施する場合、説明の相手方が承諾した場合を除き、重要事項説明書をあらかじめ送付しておく必要がありますので、この選択肢は適切です。

 


 

以上から、正解は選択肢③となります。

 

関連解説もあわせてご確認いただければと思います。

 

★関連解説★

特定賃貸借契約(重要事項説明)(R3年 第38問)

特定賃貸借契約(重要事項説明)(R4年 第39問)

特定賃貸借契約(重要事項説明)(R4年 第40問)

特定賃貸借契約(重要事項説明)(R5年 第36問)

特定賃貸借契約(重要事項説明)(R5年 第37問)

 

 

 

 

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