今日は、令和5年度 第50問について解説します。
不動産証券化の仕組みに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
① 不動産証券化の仕組みでは、活動の実態を有しないペーパーカンパニーが器(ビークル)として利用される。
② 流動化型(資産流動化型)の証券化は、お金を集めてから投資対象が決まるタイプであり、はじめに投資資金がある場合に行われる不動産証券化の仕組みである。
③ 投資家からみて、デットによる投資は、利息の支払や元本の償還においてエクイティに優先して安全性が高いことから、リターンの割合は低くなる。
④ ノンリコースローンの場合には、特定の事業や資産以外は、当該ローン債権実現のための引き当て(責任財産)とはならない。
解説
不動産証券化に関する問題です。
それではさっそく選択肢を確認しましょう。
選択肢 ①
不動産証券化の仕組みでは、活動の実態を有しないペーパーカンパニーが器(ビークル)として利用される
〇適切です。
不動産証券化では、器(ビークル、SPV、SPE)となるペーパーカンパニーがよく利用されます。
器は、投資家から資金を集め、証券を発行し、不動産の運用利益を配当します。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
選択肢 ②
流動化型(資産流動化型)の証券化は、お金を集めてから投資対象が決まるタイプであり、はじめに投資資金がある場合に行われる不動産証券化の仕組みである。
×不適切です
資産流動化型の証券化とは、投資対象が先に決まり、後にお金を集めるタイプであり、はじめに資産がある場合の仕組みです。
選択肢は、ファンド型の証券化の説明になっています。
つまり、ファンド型の証券化は、お金を集めてから投資対象が決まるタイプであり、はじめに投資資金がある場合に行われる不動産証券化の仕組みです。よってこの選択肢は不適切です
選択肢 ③
投資家からみて、デットによる投資は、利息の支払や元本の償還においてエクイティに優先して安全性が高いことから、リターンの割合は低くなる。
〇適切です。
デット(債務)による投資は、エクイティ(株式)に比べて優先して元本や利息の返済が行われるため、リスクが低い一方で、リターンも低くなる傾向があります。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
選択肢 ④
ノンリコースローンの場合には、特定の事業や資産以外は、当該ローン債権実現のための引き当て(責任財産)とはならない。
〇適切です。
ノンリコースローンは、特定の事業や資産から生じる収益だけを返済原資にする借入方法です。
万が一ローンを返済することができない状況になったとしても、担保とした資産以上の返済義務は求められません。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
以上から、正解は選択肢②となります。
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