今日は、令和5年度 第40問について解説します。

令和5年度賃貸不動産経営管理士試験 第40

「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」(国土交通省不動産・建設経済局令和3年10月公表)に関する次の記述のうち、賃貸借契約の媒介を行う宅地建物取引業者の対応として最も適切なものはどれか。

 

① 自然死又は日常生活の中での不慮の死(以下「自然死等」という。)以外の死が発生した居室について、新たに賃借人が入居し、退去したという事情がある場合は、当該死の発生日から3年以内に賃貸借契約を締結するときでも、当該死について告知義務はない。

 

② 日常生活上使用する共用部分において自然死等以外の死があった場合、当該死の発生日から3年以内に賃貸借契約を締結するときは、当該死について告知義務がある。

 

③ 居室内において自然死等以外の死があった場合、当該死の発生日から3年以内に隣の部屋について賃貸借契約を締結するときは、当該死について告知義務がある。

 

④ 居室内で発生した事件により人が死亡し、当該死の発生日から3年を経過した場合は、それが社会的に影響のある事件であったときでも、賃貸借契約を締結する際、当該死について告知義務はない。

 

 

 

解説

人の死の告知に関するガイドラインについての問題です。

 

まとめシートでは、人の死の告知に関するガイドラインについて、以下の通り解説しています。

居住用不動産を対象として、「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」が国土交通省によって示されています。

これは、対象の不動産で過去に人が亡くなった場合、状況によっては心理的瑕疵に該当することがあり、契約後のトラブルを防ぐことを目的としています。

ガイドラインでは、人の死については「告知事項あり」として、募集広告の時点からの告知を求めていますが、以下のような場合は例外的に告知不要とされています。

①自然死/日常生活の中で不慮の死(事故死含む)
 ※特殊清掃や大規模リフォームなどが行われた場合は告知が必要な場合もあります。

②①以外の死が発生して概ね3年が経過したとき
 ※事件性や社会的影響が特に大きいときはこの限りではありません。

③取引対象の隣接住戸や日常生活で通常使用しない共用部で①以外の死が発生したとき

 

以上から、選択肢を一つずつ確認しましょう。


 

選択肢 ①

自然死又は日常生活の中での不慮の死(以下「自然死等」という。)以外の死が発生した居室について、新たに賃借人が入居し、退去したという事情がある場合は、当該死の発生日から3年以内に賃貸借契約を締結するときでも、当該死について告知義務はない

 

×不適切です。

自然死/日常生活の中で不慮の死(事故死含む)以外の死が発生して概ね3年が経過したときは、告知不要とされています。

ということは、3年以内での賃貸借契約時であれば告知義務が生じると言えますね。

つまり、自然死又は日常生活の中での不慮の死(以下「自然死等」という。)以外の死が発生した居室について、新たに賃借人が入居し、退去したという事情がある場合は、当該死の発生日から3年以内に賃貸借契約を締結するときでも、当該死について告知義務があります。よってこの選択肢は不適切です。


 

選択肢 ②

日常生活上使用する共用部分において自然死等以外の死があった場合、当該死の発生日から3年以内に賃貸借契約を締結するときは、当該死について告知義務がある。

 

〇適切です。

日常生活で通常使用しない共用部あれば、自然死/日常生活の中で不慮の死(事故死含む)以外の死が発生したときは告知不要とされています。

ということは、日常生活上使用する共用部分であれば、自然死/日常生活の中で不慮の死(事故死含む)以外の死についての告知義務が生じると言えますね。

選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。


 

選択肢 ③

居室内において自然死等以外の死があった場合、当該死の発生日から3年以内に隣の部屋について賃貸借契約を締結するときは、当該死について告知義務がある

 

×不適切です。

取引対象の隣接住戸であれば、自然死/日常生活の中で不慮の死(事故死含む)以外の死が発生したときは告知不要とされています。

つまり、居室内において自然死等以外の死があった場合、当該死の発生日から3年以内に隣の部屋について賃貸借契約を締結するときは、当該死について告知義務がありません。よってこの選択肢は不適切です。


 

選択肢 ④

居室内で発生した事件により人が死亡し、当該死の発生日から3年を経過した場合は、それが社会的に影響のある事件であったときでも、賃貸借契約を締結する際、当該死について告知義務はない

 

×不適切です。

自然死/日常生活の中で不慮の死(事故死含む)以外の死が以外の死が発生して概ね3年が経過したときは、告知不要とされていますが、事件性や社会的影響が特に大きいときはこの限りではありません。

つまり、居室内で発生した事件により人が死亡し、当該死の発生日から3年を経過した場合であっても、それが社会的に影響のある事件であったときには、賃貸借契約を締結する際、当該死について告知義務があります


 

以上から、正解は選択肢②となります。

 

人の死の告知に関するガイドラインに関する問題は、令和3年に公表されたこともあってか、令和4年と令和5年に連続で出題されています。

ぜひまとめシートの解説をご確認いただき、基本的な事項をおさえていただければと思います。

 

 

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