今日は、令和5年度 第33問について解説します。
特定賃貸借契約の勧誘者に対する規制に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
① 特定転貸事業者からの委託があっても、契約の内容や条件等に触れずに、一般的なサブリースの仕組みを説明した者や、単に特定転貸事業者を紹介したに過ぎない者は、賃貸住宅管理業法における勧誘者の規制が適用されない。
② 特定転貸事業者から直接委託されたのではなく、特定転貸事業者から勧誘を委託された他の者からの再委託により勧誘行為を行ったに過ぎない者は、賃貸住宅管理業法における勧誘者の規制が適用されない。
③ 特定転貸事業者から明示的かつ書面により勧誘を委託されたのではなく、口頭で勧誘を依頼されたに過ぎない者は、賃貸住宅管理業法における勧誘者の規制が適用されない。
④ 特定転貸事業者からの委託があっても、不特定多数に向けた広告の中で、特定の事業者の特定賃貸借契約の内容や条件等を具体的に伝えたに過ぎない者は、賃貸住宅管理業法における勧誘者の規制が適用されない。
解説
勧誘者に関する問題です。
それではさっそく選択肢をみていきましょう。
選択肢 ①
特定転貸事業者からの委託があっても、契約の内容や条件等に触れずに、一般的なサブリースの仕組みを説明した者や、単に特定転貸事業者を紹介したに過ぎない者は、賃貸住宅管理業法における勧誘者の規制が適用されない。
〇適切です。
勧誘者について、まとめシートでは以下の通り解説しています。
勧誘者とは、特定転貸事業者(サブリース業者)と関連性を有しており、特定賃貸借契約の締結についての勧誘を行う者のことです。ただし、一般的なサブリースの説明や、特定転貸事業者を紹介する行為は、勧誘には該当しません。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
選択肢 ②
特定転貸事業者から直接委託されたのではなく、特定転貸事業者から勧誘を委託された他の者からの再委託により勧誘行為を行ったに過ぎない者は、賃貸住宅管理業法における勧誘者の規制が適用されない。
×不適切です。
勧誘者が勧誘行為を第三者に再委託した場合、再委託を受けた第三者も勧誘者に該当します。
なお、賃貸住宅管理業法は、賃貸住宅管理業者はもちろんですが、特定転貸事業者も守るべき規律として定められており、不当な勧誘等の禁止および誇大広告等の禁止については、勧誘者もその規制の対象となります。
つまり、特定転貸事業者から直接委託されたのではなく、特定転貸事業者から勧誘を委託された他の者からの再委託により勧誘行為を行った者は、賃貸住宅管理業法における勧誘者の規制が適用されます。よってこの選択肢は不適切です。
選択肢 ③
特定転貸事業者から明示的かつ書面により勧誘を委託されたのではなく、口頭で勧誘を依頼されたに過ぎない者は、賃貸住宅管理業法における勧誘者の規制が適用されない。
×不適切です。
もう一度、まとめシートの解説を確認してみましょう。
特定転貸事業者と関連選を有するというのは、明示的に勧誘を委託された場合にのみに当てはまるものではなく、依頼の形式や資本関係は問われません。
つまり、特定転貸事業者から明示的かつ書面により勧誘を委託されたのではなく、口頭で勧誘を依頼された者でも、賃貸住宅管理業法における勧誘者の規制が適用されます。よってこの選択肢は不適切です。
選択肢 ④
特定転貸事業者からの委託があっても、不特定多数に向けた広告の中で、特定の事業者の特定賃貸借契約の内容や条件等を具体的に伝えたに過ぎない者は、賃貸住宅管理業法における勧誘者の規制が適用されない。
×不適切です。
不特定多数に向けた広告であっても、その内容が特定の事業者の特定賃貸借契約の内容や条件等を具体的に伝えるものであれば、オーナーの特定賃貸借契約締結の意思に影響を与える場合があるといえますので、この広告は勧誘行為といえます。
特定転貸事業者から委託を受けて、勧誘行為をしていますから、勧誘者に該当しますね。
つまり、特定転貸事業者からの委託によって、不特定多数に向けた広告の中で、特定の事業者の特定賃貸借契約の内容や条件等を具体的に伝えて特定賃貸借契約の締結を勧誘する者は、賃貸住宅管理業法における勧誘者の規制が適用されます。よってこの選択肢は不適切です。
以上から、正解は選択肢①となります。
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