今日は、令和5年度 第17問について解説します。

令和5年度賃貸不動産経営管理士試験 第17

排水・通気設備等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

 

① 洗濯機の防水パンに使用されるサイホン式トラップには、毛髪や布糸などが詰まりやすく、毛細管作用により破封することがある。

 

② 管内の圧力変動による排水トラップの封水の流出や、長期間の空室による封水の蒸発は、悪臭の原因となる。

 

③ 雑排水槽や汚水槽を設けて、水中ポンプで汲み上げる排水方式では、定期的な点検や清掃が必要である。

 

④ 特殊継手排水方式は、排水横枝管の接続器具数が比較的少ない集合住宅や、ホテルの客室系統に多く採用されている。

 

 

 

解説

排水設備・通気設備に関する問題です。

 

それではさっそく選択肢をみていきましょう。


 

選択肢 ①

洗濯機の防水パンに使用されるサイホン式トラップには、毛髪や布糸などが詰まりやすく、毛細管作用により破封することがある。

 

×不適切です。

排水トラップについて、まとめシートでは以下の通り解説しています。

排水トラップは、その構造からサイホン式トラップと非サイホン式トラップに分類されます。

床排水や、キッチンや浴室の防水パンなどは非サイホントラップのわんトラップが使用されます。わんトラップは構造的に、毛髪や布糸などが詰まりやすいです。

つまり、洗濯機の防水パンに使用される非サイホン式トラップには、毛髪や布糸などが詰まりやすく、毛細管作用により破封することがあります。よってこの選択肢は不適切です。

 


 

選択肢 ②

管内の圧力変動による排水トラップの封水の流出や、長期間の空室による封水の蒸発は、悪臭の原因となる。

 

 

〇適切です。

トラップの役割や封水について、まとめシートでは以下の通り解説しています。

排水トラップには、排水した水の一定量が自然と留まります。

この溜まった水のことを封水といいますが、封水が排水管を封じる役割をもっていて、下水臭などを塞いでくれます。

封水は、排水管の圧力変動などによって流出してしまったり、長い間水を流さないでいると蒸発してしまうことがありますので適切な管理が必要ですね。

選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。

 


 

選択肢 ③

雑排水槽や汚水槽を設けて、水中ポンプで汲み上げる排水方式では、定期的な点検や清掃が必要である。

 

〇適切です。

一般的な住宅では、排水管に勾配をつけて重力によって公共下水管等に汚水や雑排水を排出しますが、地盤面より低い地下階がある建物では、雑排水層や汚水槽を設けて、水中ポンプでくみ上げて公共下水等に排出する方式がとられることが多いです。

排水層の清掃を怠ると悪臭や害虫が発生したり、詰まったりすることがありますので、定期清掃が義務付けられています。また、ポンプに不良が発生すると正常に排出することができなくなります。適切な維持管理に努める必要がありますね。

選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。


 

選択肢 ④

特殊継手排水方式は、排水横枝管の接続器具数が比較的少ない集合住宅や、ホテルの客室系統に多く採用されている。

 

〇適切です。

通気設備について、まとめシートでは以下の通り解説しています。

排水立て管の先端を延長した伸長通気管を屋上などに大気に開口する通気設備を、伸長通気方式(単管式)といいますが、これを改良した、管内の空気の通り道を確保するために特殊継手を使用した特殊継手排水方式は、一部の集合住宅やホテルの客室系統に採用されています

選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。


 

以上から、正解は選択肢①となります。

 

排水設備や通気設備に関する問題は令和5年度、4年度連続で1問出題されています。

基本的事項をおさえておきたいですね。

 

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