今日は、令和5年度 第14問について解説します。
室内の換気方式に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
①自然換気方式は、室内外の温度差による対流や風圧等の自然条件を利用しているため、換気扇の騒音もなく経済的であり、いつでも安定した換気量が確保できる。
②機械換気方式は、換気扇や送風機等を利用した強制的な換気方式であり、必要なときに換気できるが、エネルギー源が必要となる。
③住宅では、台所、浴室、便所等からの排気は機械換気とし、給気は給気口から取り入れる第3種換気を採用することが多い。
④第3種換気において給気の取入れが十分でないまま機械による排気を行うと、室内外の差圧が増大することによる障害が発生する。
解説
換気設備に関する問題です。
それではさっそく選択肢をみていきましょう。
選択肢①自然換気方式は、室内外の温度差による対流や風圧等の自然条件を利用しているため、換気扇の騒音もなく経済的であり、いつでも安定した換気量が確保できる。
「不適切」
自然換気方式とは、まとめシートでは以下の通り解説しています。
室内と屋外の温度差による対流や風圧などの自然の条件を利用する換気が自然換気です。
自然の条件を利用するので、換気のための機械は不要で、騒音がなく経済的なのがメリットですね。
ただしなんせ自然を相手にしていますから、いつでも安定した換気量が確保できるとは限りません。
よってこの選択肢は不適切です。
選択肢②機械換気方式は、換気扇や送風機等を利用した強制的な換気方式であり、必要なときに換気できるが、エネルギー源が必要となる。
「適切」
機械換気とは、まとめシートでは以下の通り解説しています。
機械換気方式は、換気扇や送風機等の機械を利用して、強制的に換気する方式です。
必要な時に安定した換気ができる点がメリットですね。
ただし、やはり機械なので、タダでは動きません。動くために電気などのエネルギー源が必要で、そうなると電気代などもかかりますね。よってこの選択肢は適切です。
選択肢③住宅では、台所、浴室、便所等からの排気は機械換気とし、給気は給気口から取り入れる第3種換気を採用することが多い。
「適切」
機械換気の分類について、まとめシートでは以下の通り解説しています。
多くの住宅で採用されている「第3種換気」は、台所、浴室、トイレ、洗面所といったガスや臭気が発生する場所に、機械無しの給気口と排気ファンが設置されています。
よってこの選択肢は適切です。
選択肢④第3種換気において給気の取入れが十分でないまま機械による排気を行うと、室内外の差圧が増大することによる障害が発生する。
「適切」
選択肢③のまとめシートにもあるように、第3種換気では室内が負圧となり、換気が有効に行われるには、給気を十分に確保する必要があります。給気は機械を使わない方式ですので、不十分になることも考えられますが、その場合は室内と室外での圧力の差が大きくなります。圧力差が大きくなると、ドアの開閉がしにくくなるなどの支障が出ることがあります。よってこの選択肢は適切です。
以上から、正解は選択肢①となります。
賃貸住宅が入居者にとって安全で快適な生活空間であるように配慮することは、賃貸不動産経営管理士に求められる役割の1つでしょう。安全で快適な生活空間を確保するために、換気に関する知識は欠かせませんので、賃貸不動産経営管理士試験にもしばしば出題されるテーマです。
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