今日は、令和4年度 第48問について解説します。

令和4年度賃貸不動産経営管理士試験 第48

保険に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

 

① 賃貸不動産経営には様々なリスクが存在するが、保険に加入することでそのリスクを一定程度軽減・分散することができる。

② 建物の火災保険の保険金額が3000万円の場合、地震保険金額の限度額は3000万円×50%=1500万円であるが、火災保険の保険金額が1億1000万円の場合の地震保険の限度額は1億1000万円×50%=5500万円とはならず、5000万円になる。

③ 近隣からの類焼による被害を受けても、失火者に重大な過失がある場合を除き、失火者には損害賠償責任を問えないため、類焼被害に対しては被害者自らが火災保険に加入して備えておく必要がある。

④ 保険料は、保険会社が引き受けるリスクの度合いに比例するものでなければならず、例えば木造建物であれば構造上の危険度は同じであるため、保険料率は全国一律で定められている。

 

 

解説

保険に関する問題です。

 

それではさっそく選択肢をみていきましょう。


 

選択肢①

賃貸不動産経営には様々なリスクが存在するが、保険に加入することでそのリスクを一定程度軽減・分散することができる。

 

〇適切です。

保険について、まとめシートでは以下の通り解説しています。

賃貸不動産経営において、自然災害から事件事故、各種トラブルなど、リスクはつきものです。適切な維持管理によりリスクを軽減することは可能ですが、保険に加入することも、一定のリスクコントロールにつながります。

よってこの選択肢は適切です。


 

選択肢②

建物の火災保険の保険金額が3000万円の場合、地震保険金額の限度額は3000万円×50%=1500万円であるが、火災保険の保険金額が1億1000万円の場合の地震保険の限度額は1億1000万円×50%=5500万円とはならず、5000万円になる。

 

〇適切です。

地震保険について、まとめシートでは以下の通り解説しています。

地震保険は単独で加入することはできず、火災保険とあわせて加入することになります。

地震保険には保険金額に上限があり、主となる火災保険の保険金額の30~50%以内、かつ建物は5000万円以下、家財は1000万円以下となっています。

つまり、建物の火災保険の保険金額が 3000万円の場合、地震保険金額の限度額は3000 万円×50%=1500万円となり、火災保険の保険金額が1億 1000万 円の場合の地震保険の限度額は1億1000 万円×50%=5500万円とはならず、5000万円が上限ということにになります。よってこの選択肢は適切です。

この選択肢は冒頭に「建物の」と書かれていますが、実際の問題を解くときには、問われているのが建物なのか家財なのか、見落とさないように気を付けたいですね。


 

選択肢③

近隣からの類焼による被害を受けても、失火者に重大な過失がある場合を除き、失火者には損害賠償責任を問えないため、類焼被害に対しては被害者自らが火災保険に加入して備えておく必要がある。

 

〇適切です。

「火事はもらい損」という言葉を聞いたことがありますでしょうか。

これは、もらい火によって火が燃え広がり、火事になってしまった場合でも、ほとんどの場合は出火元に損害賠償を請求することができないことからうまれた言葉です。

失火責任法という法律に、失火者には重大な過失がなければ損害賠償を請求することができないという定めがあるため、類焼被害、つまりもらい火による火災には、自ら火災保険に加入して備える必要があります。

よってこの選択肢は適切です。


 

選択肢④

保険料は、保険会社が引き受けるリスクの度合いに比例するものでなければならず、例えば木造建物であれば構造上の危険度は同じであるため、保険料率は全国一律で定められている

 

×不適切です。

保険料は、保険会社が引き受けるリスクの度合いに比例するものです。

例えば建物の構造によりリスクが異なるので、構造によって保険料率が異なっています。

さらに、火災や自然災害などの危険度は全国共通ではありません。例えば住宅密集地であればの火災の延焼による被害拡大があったり、風水害の発生状況も地域によって異なります。

つまり、保険料は、保険会社が引き受けるリスクの度合いに比例するものでなければならず、例えば構造上は同じ木造建物であっても、保険料率は建物の所在地によって異なります。よってこの選択肢は不適切です。


 

以上から、正解は選択肢④となります。

 

保険に関する問題は、令和5年度は出題されませんでしたが、令和4年までは連続して出題されていました。

試験に備える意味でも、賃貸住宅管理のプロとしても、ぜひこの機会に保険に関しての理解を深めていただければと思います。

 

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