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1日1問解説を始めて本日で1週間です。

1週間記念の今日は、令和3年度 第4問について解説します。

令和3年度賃貸不動産経営管理士試験 第4問

管理受託契約の性質に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。

①管理受託契約は、民法上の委任と雇用の性質を併有することが想定されている。

②民法上の請負は、法律行為又は事実行為をすることを目的とする。

③建物設備の維持保全業務は、民法上の準委任に当たる。

④民法上の委任契約は、書面で契約を締結することが義務付けられている。

 

解説

管理受託契約の性質、具体的に言うと、管理受託契約は民法上どういった契約となっているのか、ということを問う問題です。

まずは管理受託契約とは何なのかを確認しておきましょう。

管理受託契約は、貸主(オーナー)と賃貸住宅管理業者間で締結されるもので、賃貸物件の管理業務を委託するために締結する契約です。

管理業務ってなんだっけ?という方は、ぜひこの解説も復習してみてくださいね。

 

管理受託契約の性質については、まとめシートで以下の通り解説しています。

管理受託契約は、「委任(または準委任)契約」「請負契約」「委任(準委任)契約と請負契約が合わさった契約」このいずれかの性質があります。

「委任契約」や「請負契約」が何なのかは、選択肢の中で確認していきましょう。

 

それでは選択肢をみていきましょう。


選択肢①

管理受託契約は、民法上の委任と雇用の性質を併有することが想定されている。

 

×不適切です。

管理受託契約は、「委任(または準委任)」「請負」「委任(準委任)と請負契約が合わさっている」いずれかの性質があるんでしたね。
また、従業員が労働して、それに対して使用者が報酬を支払うという「雇用」の性質は持っていません。よってこの選択肢は不適切です。


選択肢②

民法上の請負は、法律行為又は事実行為をすることを目的とする。

 

×不適切です。

「請負」とは、まとめシートでは以下の通り解説しています。

請負は、請負人が仕事を完成させることを約束して、注文者が仕事の結果に対して報酬を支払うことを約束することで成立するものです。
つまり請負の目的は「仕事の完成」です。この選択肢のように法律行為又は事実行為をすることを目的とはしていませんので不適切です。

さらに、法律行為とは何かという点についてもおさえておきましょう。

まずは「これがやりたい、これがほしい」という意思表示があって、その意思(やりたいこと、ほしいこと)が法律のもとで「それをやる権利あるよ!」「それはもうあなたの物だよ!」ということ(法律効果)が認められる、これが法律行為です。

例えばコンビニでお茶を買う、というよくある日常生活の中の行為であっても、ここには「売買契約」という法律行為が行われています。

それに対し、意思表示を必要としない事実上の行為によって法律効果が発生するものは「事実行為」といいます。


選択肢③

建物設備の維持保全業務は、民法上の準委任に当たる。

 

〇適切です。

準委任とは、ある業務を他の者に委託することですが、委託するのは法律行為ではない事務となります。建物設備の維持保全業務は、通常は法律行為ではない事務ですね。よってこの選択肢は適切です


選択肢④

民法上の委任契約は、書面で契約を締結することが義務付けられている。

 

×不適切です。

委任とは、まとめシートでは以下の通り解説しています。

ある業務を他の者に委託することという点では準委任と同じですが、委任は法律行為の履行を委託するものです。そして、委任契約は委任者からの依頼に対して受任者が承諾すれば成立する「諾成(だくせい)契約」という性質があり、民法上は書面で契約を締結することが義務付けられているものではありません


以上から、正解は選択肢③となります。

 

この問題は、一つ一つの用語の意味や違いを理解していないと、少し難しく感じるかもしれません。

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