今日は、令和3年度 第15問について解説します。
建物の維持保全に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
① 建築基準法第8条は、「建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するように努めなければならない」と規定しているが、これは建物管理者にも課せられた義務である。
② 集合賃貸住宅は、建築基準法第12条による定期調査・検査報告の対象とはならない。
③ 建築基準法第12条により特定建築物において義務付けられる定期調査・検査報告は、建物の構造を対象とするものであり、敷地は対象とならない。
④ 建築基準法第12条により特定建築物において義務付けられる定期調査・検査報告の対象には、昇降機は含まれない。
解説
建築基準法に基づく建物の維持保全に関する問題です。
それではさっそく選択肢をみていきましょう。
選択肢 ①
建築基準法第8条は、『建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するように努めなければならない』と規定しているが、これは建物管理者にも課せられた義務である。
〇適切です。
建物の所有者や管理者は、その建物や設備を常に適法な状態に維持するように努めなければなりません。
なお建物管理者についても、この規定が対象となりますので、管理者として適法な状態に維持するよう努める義務があります。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
選択肢 ②
集合賃貸住宅は、建築基準法第12条による定期調査・検査報告の対象とはならない。
×不適切です。
集合賃貸住宅は、建築基準法上は「共同住宅」に該当します。
一定規模以上の共同住宅は、特定建築物として、定期的に維持管理状況を調査・検査し、報告しなければなりません。
つまり、集合賃貸住宅は、建築基準法第12条による定期調査・検査報告の対象となることがあります(一定規模以上の特定建築物であれば、定期調査・検査報告の対象です)。よってこの選択肢は不適切です。
選択肢 ③
建築基準法第12条により特定建築物において義務付けられる定期調査・検査報告は、建物の構造を対象とするものであり、敷地は対象とならない。
×不適切です。
建築基準法第12条には、定期的な調査・検査の対象は敷地、構造、建築設備であると定められています。
つまり、建築基準法第12条により特定建築物において義務付けられる定期調査・検査報告は、敷地、構造、建築設備を対象とするものです。よってこの選択肢は不適切です。
選択肢 ④
建築基準法第12条により特定建築物において義務付けられる定期調査・検査報告の対象には、昇降機は含まれない。
×不適切です。
特定建築物において義務付けられる定期調査・検査報告の対象は、敷地、構造、防火、避難のほか、「防火設備」「建築設備」「昇降機」があります。
つまり、建築基準法第12条により特定建築物において義務付けられる定期調査・検査報告の対象には、昇降機も含まれます。よってこの選択肢は不適切です。
以上から、正解は選択肢①となります。
ぜひ関連解説もあわせてご確認いただければと思います。
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