今日は、令和3年度 第10問について解説します。
原状回復ガイドラインに関する次の記述のうち、適切なものはどれか。
① 壁クロスの毀損箇所が一部分であっても、他の面と色や模様を合わせないと商品価値が維持できない場合には、居室全体の張り替え費用は借主負担となる。
② フローリングの毀損箇所が一箇所のときは、居室全体の張り替え費用を借主の負担とすることはできない。
③ 畳の毀損箇所が1枚であっても、色合わせを行う場合は、居室全体の畳交換費用が借主負担となる。
④ 鍵の紛失に伴う鍵交換費用は、紛失した鍵の本数に応じた按分割合による額又は経過年数を考慮した額のいずれか低い額による。
解説
「原状回復ガイドライン」に関する問題です。
それではさっそく選択肢をみていきましょう。
選択肢 ①
壁クロスの毀損箇所が一部分であっても、他の面と色や模様を合わせないと商品価値が維持できない場合には、居室全体の張り替え費用は借主負担となる。
×不適切です。
ガイドラインによる部位別(壁クロス)の負担と経過年数の考慮について、まとめシートでは以下の通り解説しています。
壁クロスについての借主の負担割合は、原則1㎡単位ですが、毀損させた箇所を含む1面分までは借主負担とすることができます。
他の面との色や模様合わせのために、居室全体を張り替える必要があったとしても、借主負担とできるのは毀損させた部分を含む1面のみとなります。
つまり、壁クロスの毀損箇所が一部分で、他の面と色や模様を合わせないと商品価値が維持できない場合であっても、借主負担となるのは毀損させた部分を含む1面のみです。よってこの選択肢は不適切です。
選択肢 ②
フローリングの毀損箇所が一箇所のときは、居室全体の張り替え費用を借主の負担とすることはできない。
〇適切です。
ガイドラインによる部位別(フローリング)の負担と経過年数の考慮について、まとめシートでは以下の通り解説しています。
フローリングについての借主の負担割合は、原則1㎡単位ですが、毀損が複数に渡る場合は、当該居室全体の張り替え費用を借主負担とすることができます。
つまりフローリングの毀損箇所が一箇所のときは、居室全体の張り替え費用を借主負担とすることはできませんので、選択肢の説明通り、この選択肢は適切です。
選択肢 ③
畳の毀損箇所が1枚であっても、色合わせを行う場合は、居室全体の畳交換費用が借主負担となる。
×不適切です。
ガイドラインによる部位別(畳)の負担と経過年数の考慮について、まとめシートでは以下の通り解説しています。
畳について、借主の負担範囲は原則として1枚単位ですが、毀損箇所が複数枚にわたる場合は、その枚数分を借主負担とすることができます。なお、補修方法が裏返しになるか、表替えになるかは、毀損の程度によって検討されます。
色合わせのために居室全体の畳を交換する必要があったとしても、借主負担とできるのは毀損させた枚数分となります。
つまり、畳の毀損箇所が1枚で、色合わせを行う場合であっても、借主負担となるのは毀損させた1枚のみです。よってこの選択肢は不適切です。
選択肢 ④
鍵の紛失に伴う鍵交換費用は、紛失した鍵の本数に応じた按分割合による額又は経過年数を考慮した額のいずれか低い額による。
×不適切です。
ガイドラインによる部位別(鍵)の負担と経過年数の考慮について、まとめシートでは以下の通り解説しています。
鍵を紛失した場合、シリンダーを交換するのが一般的です。シリンダーの交換費用は全額借主の負担となります。
紛失した鍵の本数や経過年数については考慮されません。
つまり、鍵の紛失に伴う鍵交換費用は、シリンダーの交換費用を含め全額借主の負担となります。よってこの選択肢は不適切です。
以上から、正解は選択肢②となります。
原状回復ガイドラインに関する問題は例年複数問出題されています。
ぜひ関連解説もあわせて理解を深めていただければと思います。
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