今日は、令和3年度 第14問について解説します。

令和3年度賃貸不動産経営管理士試験 第14

修繕履歴情報に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

 

① 建物の履歴情報の利用によっては、建物の維持保全にかかる費用の無駄を省くことはできない。

 

② 賃貸借契約締結等の判断材料となり得る履歴情報が、賃貸借の意思決定時に適切に提供されることにより、入居後のトラブル防止にもつながる。

 

③ 正確な履歴情報を利用することにより、災害が発生した際の復旧に迅速かつ適切な対応をとることが可能となる。

 

④ 建物の履歴情報は、建物の所有者に帰属するものであるが、所有者から管理委託を受けている者が、必要に応じて利用に供することが考えられる。

 

 

 

解説

修繕履歴情報に関する問題です。

 

それではさっそく選択肢をみていきましょう。


 

選択肢 ①

建物の履歴情報の利用によっては、建物の維持保全にかかる費用の無駄を省くことはできない

 

×不適切です。

修繕履歴について、まとめシートでは以下の通り解説しています。

修繕履歴は、建物の建築部位や設備機器に関する工事履歴のことです。

修繕履歴は無理や無駄のない合理的な日常管理や修繕のため、見えない部分も含めた修繕の必要性の判断に寄与します。

つまり、建物の履歴情報の利用によっては、建物の維持保全にかかる費用の無駄を省くことにつながります。よってこの選択肢は不適切です。

 


選択肢 ②

賃貸借契約締結等の判断材料となり得る履歴情報が、賃貸借の意思決定時に適切に提供されることにより、入居後のトラブル防止にもつながる。

 

〇適切です。

履歴情報を適切に提供することで、入居者が設備や物件の状況を事前に理解することができるなど、賃貸物件の透明性が高まり、入居後のトラブルを防ぐことができます。

 

選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。


選択肢 ③

正確な履歴情報を利用することにより、災害が発生した際の復旧に迅速かつ適切な対応をとることが可能となる。

 

〇適切です。

正確な履歴情報に基づき、建物の修繕履歴や耐震補強の有無などの情報などを把握することができるので、災害発生時に迅速かつ適切に対応することができます。

 

選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。

 


選択肢 ④

建物の履歴情報は、建物の所有者に帰属するものであるが、所有者から管理委託を受けている者が、必要に応じて利用に供することが考えられる。

 

〇適切です。

建物の履歴情報は建物の履歴情報は所有者に属しますが、所有者から委託を受けた管理会社などが適切に活用し、管理や修繕を行うのは一般的です。

選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。


 

以上から、正解は選択肢①となります。

 

 

ぜひ関連解説もあわせてご確認いただければと思います。

 

 

★関連解説★

賃貸住宅の管理の実務(R4年 第7問)

 

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