今日は、賃貸不動産経営管理士試験 令和2年度 第47問について解説します。
賃貸不動産経営管理士の行為に関する次の記述のうち、賃貸不動産経営管理士「倫理憲章」の趣旨に照らし、最も不適切なものはどれか。
① 勤務していた管理業者を退職した後も、賃貸不動産経営管理士として職務上知った関係者の秘密を漏らさないようにしている。
② 賃貸物件の貸主と借主の間に紛争が生じるおそれがある場合には、もっぱら依頼者である貸主の立場に立って対応している。
③ 賃貸不動産経営管理士の資格取得後も毎年、賃貸不動産経営管理士試験問題に目を通して勉強している。
④ 賃貸物件が所在する地域の防犯・防災活動に協力するため、貸主に対し、積極的に企画提案している。
解説
賃貸不動産経営管理士倫理憲章に関する問題です。
それではさっそく選択肢をみていきましょう。
選択肢 ①
勤務していた管理業者を退職した後も、賃貸不動産経営管理士として職務上知った関係者の秘密を漏らさないようにしている。
〇適切です。
賃貸不動産経営管理士倫理憲章では、賃貸不動産経営管理士が職務上知り得た秘密を正当な理由なく他に漏らしてはならないことが定められています。
この守秘義務は、職務に携わらなくなった後も同様に継続します。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
選択肢 ②
賃貸物件の貸主と借主の間に紛争が生じるおそれがある場合には、もっぱら依頼者である貸主の立場に立って対応している。
×不適切です。
賃貸不動産経営管理士倫理憲章では、賃貸不動産経営管理士は常に公正で中立な立場で職務を行い、万一紛争等が生じた場合には、誠意をもってその円満解決に努めることが求められています。
つまり、賃貸物件の貸主と借主の間に紛争が生じるおそれがある場合には、常に公正で中立な立場に立って対応することが求められます。よってこの選択肢は不適切です。
選択肢 ③
賃貸不動産経営管理士の資格取得後も毎年、賃貸不動産経営管理士試験問題に目を通して勉強している。
〇適切です。
賃貸不動産経営管理士倫理憲章では、賃貸不動産経営管理士は、あらゆる機会を活用して賃貸不動産管理業務に関する広範で高度な知識の習得に努め、不断の研鑽によって能力、資質を向上させることが求められています。
また、管理業務の専門家として、高い専門性を発揮するよう努力することが求められています。
資格取得後も試験問題に目を通して学習を続けることは、この趣旨に合致し、専門性を高めるために適切な行動といえますので、この選択肢は適切です。
選択肢 ④
賃貸物件が所在する地域の防犯・防災活動に協力するため、貸主に対し、積極的に企画提案している。
〇適切です。
賃貸不動産経営管理士は、賃貸不動産の管理を適切に行うことで、物件に居住・利用する借主等の安心・安全を確保するなどの社会的使命を担っています。
防犯・防災活動への協力や、それを促進するために貸主へ積極的に企画提案を行うことは、倫理憲章の趣旨に合致しており、賃貸住宅の管理業務を通じて地域社会に貢献する行動といえます。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
以上から、正解は選択肢②となります。
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