今日は、賃貸不動産経営管理士試験 令和2年度 第41問について解説します。
電気設備に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
① 遮断器が落ちて停電した場合には、分電盤を調べ、遮断器が落ちている回路を再び通電させて、再度停電したときは、その回路を切って、専門業者に原因究明と修理を依頼する必要がある。
② ある規模以上の共同住宅で、各住戸と共用部分の契約電力の総量が50キロワット以上のときは、6000ボルトの高圧引き込みとなり、受変電設備を設置する必要がある。
③ 住戸に供給される電力の単相3線式では、3本の電線のうち真ん中の中性線と上または下の電圧線を利用すれば100ボルト、中性線以外の上と下の電圧線を利用すれば200ボルトが利用できる。
④ ELB(アース・リーク・ブレーカー)は、地震発生時に設定値以上の揺れを検知したときに、ブレーカーやコンセントなどの電気を自動的に止める器具である。
解説
電気設備に関する問題です。
それではさっそく選択肢をみていきましょう。
選択肢 ①
遮断器が落ちて停電した場合には、分電盤を調べ、遮断器が落ちている回路を再び通電させて、再度停電したときは、その回路を切って、専門業者に原因究明と修理を依頼する必要がある。
〇適切です。
一時的に過電流が流れて、遮断器が落ちて停電することがあります。遮断器というのは、一般的にブレーカーとも呼ばれます。
遮断器が落ちて停電したときは、分電盤を調べて、遮断器が落ちている回路を通電させて様子を見ます。再度遮断器が落ちる場合には、回路に異常がある可能性が高いため、専門業者による原因究明と修理が必要です。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
選択肢 ②
ある規模以上の共同住宅で、各住戸と共用部分の契約電力の総量が 50 キロワット以上のときは、6,000 ボルトの高圧引き込みとなり、受変電設備を設置する必要がある。
〇適切です。
各戸の契約電力と、共用部の契約電力の合計が50キロワット以上になるときは、変圧器等を施設する借室が必要となります。
契約電力が50キロワット以上2000キロワット未満の場合は、標準電圧6000ボルトの高圧引込となり、高圧受変電設備の設置が必要です。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
選択肢 ③
住戸に供給される電力の単相3線式では、3本の電線のうち真ん中の中性線と上または下の電圧線を利用すれば 100 ボルト、中性線以外の上と下の電圧線を利用すれば 200 ボルトが利用できる。
〇適切です。
各住戸に電力を供給する方式には、単相3線式と単相2線式があります。現在、一般的に用いられているのは単相3線式です。
単相3線式は、上と下の2本の電圧線と、真ん中の中性線の計3本を利用して電力を供給する方式で、100ボルトと200ボルトの両方を供給することができます。
100ボルトには中性線と、上または下のどちらか1本の電圧線を利用し、200ボルトには中性線以外の上と下の電圧線を利用します。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
選択肢 ④
ELB(アース・リーク・ブレーカー)は、地震発生時に設定値以上の揺れを検知したときに、ブレーカーやコンセントなどの電気を自動的に止める器具である。
×不適切です。
ELBは、漏電遮断器(漏電ブレーカー)のことで、漏電を察知して回路を遮断する器具です。
地震発生時に設定値以上の揺れを検知してブレーカーやコンセントなどの電気を自動的に止める器具は、感震ブレーカーです。とりわけ密集市街地においては、感震ブレーカーの普及が求められています
つまり、感震ブレーカーは、地震発生時に設定値以上の揺れを検知したときに、ブレーカーやコンセントなどの電気を自動的に止める器具です。よってこの選択肢は不適切です。
以上から、正解は選択肢④となります。
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